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野茂越えの則本、打者はなぜ打てない? 2桁奪三振新記録のカギを探る【小宮山悟の眼】

6/6(火) 10:00配信

ベースボールチャンネル

 パ・リーグ首位を走る楽天のエース・則本昂大。6月1日の巨人戦で、7試合連続2桁奪三振を達成した。野茂英雄の6試合連続を上回るNPB新記録だ。歴史を塗り替え、三振の山を築いたポイントを探る。

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野茂との違いはスライダー

 楽天の則本昂大が7試合連続の2桁奪三振を記録し、野茂英雄(ドジャースなど)が持っていた記録を塗り替えた。現代の野球は常に進化し、打者はかなり難しい球でも打ち返すようになってきた。そんな時代にこの記録達成は本当にすごい快挙だと思う。

 則本の基本とするピッチングスタイルは、野茂とそれほど変わらない。球速のあるストレートと落ちるボールが持ち味なのは同じだ。さらに則本は、野茂にはない、スライダー系のボールを投げられる。このスライダーレベルが高く、そう簡単に打てるボールではないのだから、打者にとって厄介だ。

投球フォームにカギ

 則本の身長は、公式の発表で178センチ。野茂やダルビッシュ有などの投手に比べて小柄で、ボールに角度が出ないのが不利だという見方もあるが、私はそうは思わない。

 則本がボールをリリースする位置は低いかもしれないが、沈み込まずに体重移動する投球フォームで、ボールを低めに保った状態でコントロールできている。

 一般的に角度があるボールは、打者がタイミングを合わせるのが難しいことが利点だとされる。一方、則本のような低く地面に平行に投げるボールは、打者の目線から遠い所にある。つまり、それだけでも打ち返すのは容易ではない。そして、そのフォームのまま意識して高めに投げると、浮き上がってくるような球筋を作ることができるのだ。

 極端な言い方をすると、アンダースローが高めに投げるのと同じような軌道になるわけだ。大きくストライドして、沈み込まずに強く腕を振る。ボールのリリースはかなり捕手寄りになるから、相当な打ちにくさを持っている。高めはホップしているように感じるから、変化球と混ぜて投げ込んでこられたら、打者は対応できないだろう。

 先ほども言ったように、ストレートとフォークで三振を取るというのは、野茂と同じスタイルだ。ここに、則本はスライダーを投げることができる。右打者の場合、自分の身体の方向にボールが来たと思った瞬間にスライドしていく。かかとに体重が乗ってしまっているため、バットが出せなくなるのだ。

 則本のボールは角度がないとは言いつつも、それだけの特徴がある。ストレート、スライダー、フォーク、カーブ。球種のどれをとっても日本人トップクラスだから、打てないのだ。

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