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純粋な役職者はひと握り 40代「名ばかり管理職」の憂鬱

6/6(火) 18:22配信

日経BizGate

管理職に昇格しても訪れる停滞感

 【うちの女房がお願いだから管理職にならないでくれって言うんだよ。管理職になれば組合にも守ってもらえなくなるし、休日も確実に減るだろうって。うちの会社は管理職になると残業代がつかなくなるから、月々の給与は明らかに減るらしい。管理職といっても肩書きだけだし、仕事が同じで給与だけ減るのではさすがに割に合わんよ。・・・管理職になりたくないわけじゃないけど、管理職にならないで今のまま居させてもらえるのならそっちの方がいいよなあ。おまえ人事コンサルタントだろ。どうしたらいいか教えてくれよ…】

 以上は、40代前半である筆者が、大学時代の友人から実際に聞いた話である。

 40代社員の多くは、会社の中で「管理職」と呼ばれる年代だ。ところが、統計データによると、課長・部長などの名称で呼ばれる「狭義の管理職(役職者)」の比率は、社員全体の10%程度にすぎない(厚生労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」)。

 一方で、賃金など人事処遇が管理職扱いとなっている「広義の管理職(専門職含む)」はどのくらいいるかというと、恐らく社員全体の20~30%にのぼる企業が多いと見られる(参考:社団法人日本労務研究会「管理監督者の実態に関する調査研究報告書」平成17年3月31日)。

 広義の管理職が多いということは、仕事内容や責任範囲が一般社員と変わらないように見える管理職が多いことを意味する。広義の管理職には、次のような属性の社員が含まれる。

■ 「課長」「課長代理」といった役職に就いているが、管理業務よりも実務に多くの時間を費やすプレイングマネジャー
■ 人事管理上は管理職扱いだが、部下のいない専門職・企画スタッフなど

 判断業務にほとんどの時間を費やす、純粋な意味での管理職はごく一握りであるといえる。この背景には組織構造上の理由がある。多くの企業は1990年代以降にいわゆる「組織のフラット化」に取り組み、勤続年数は長いが職責の実態を伴わない中間階層を排除した一方で、現場への権限委譲を図った。

 さらに、IT(情報技術)による業務改革の進展は、組織内のコミュニケーションと意思決定のハブである管理者の必要人数を減らすことにつながった。この結果として、「一握りのゼネラルマネジャー(部長などの上級管理職)」と「数多くのプレイングマネジャー(課長代理・課長)」という構造が多くの企業に共通して見られるようになったのである。

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最終更新:6/6(火) 18:47
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