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辻村深月の集大成にして最高傑作! 二度読み必至の、ファンタジックミステリー『かがみの孤城』発売記念インタビュー

6/6(火) 11:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 デビュー以来、少年少女が抱く痛切な叫びや、自意識の檻に閉じ込められたもがきを描き続けてきた辻村深月。最新刊『かがみの孤城』(ポプラ社)は、彼女の原点ともいえる10代密室群像劇。「辻村さんの到達点にして最高傑作」「みんなの夢中になったあの世界が、さらに果てしない包容力を持ち帰ってきた」と先読み書店員も絶賛した本作について、『ダ・ヴィンチ』本誌で語った辻村さんの、さらにこぼれ話をくわえてここではご紹介しよう。

言葉が伝わるかどうかということに、大人も子供も関係ない

「もし過去の自分に一冊だけ本を贈れるとしたらこれがいいなって、書き終えてみて思いました。読者だった頃の自分に「大人のくせにやるじゃん」って思ってもらえたら嬉しい。」

 と、辻村深月さんが満を持してお届けするのが『かがみの孤城』。主人公の安西こころは中学1年生。入学早々、あることが原因で学校へ行けなくなってしまうのだが、5月のある日、部屋の鏡が突然光り出したことで彼女の時間は再び動き出す。鏡に引きずり込まれてたどりついた先は、見知らぬ孤城。狼面をつけた女の子の指令で、自分と同様、学校に行けていない6人の中学生とともに、こころは、どんな願いも叶う部屋の鍵を探すことになる。

「友達とうまくやれなかったり、学校に行けなくなってしまったり。10代の子たちが、みんなと同じ、“普通”のことができないという生々しい現実に直面したとき、大人になることそのものを恐れる気持ちが生まれることもあると思うんですよね。大人になるというのはすなわち、未来に進むということだから。死という選択肢を選ばずに済んだとしても、傷を解消しきれずに、どこか未成熟なまま大人になってしまった人たちは、少なくないんじゃないかと思います。主人公のこころは中学生だけど、本作では、かつてこころのような中学生だった大人たちに対しても、大丈夫だよ、大人になってもいいんだよ、と言ってあげられる小説になればいいなと思いました」

 こころを案ずるお母さんや、学校に行けなくなった子供たちが集まる「スクール」のカウンセラー・喜多嶋先生。中学生たちだけでなく、大人たちの葛藤や寄り添う想いが描かれているのも本作の特徴だ。

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