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【ヴェネツィアの初夏】(3) 世界一カラフルな島

6/7(水) 7:00配信

オーヴォ

 “絶景ブーム”で、世界中のさまざまな風景写真が出回る昨今。カラフルな景観なら世界でトップといわれるのが、ブラーノ島だ。ヴェネツィア本島からも、前回(2)で紹介したヴェネチアングラスのムラーノ島からも水上バスで行けるので、1日島めぐりに使えるなら、午前、午後とこの二つを回るのがお勧めコースだ。

 ムラーノ島からなら30分、ヴェネツィア本島からなら40分。船着き場を降りると、すぐにこの島の特産品、レースを売る店が見えてくる。漁師が網を直す技術が端緒になったといわれるレース編み。男性が漁に出ている間、女性たちが編むレースの芸術性は、中世から引き継がれている伝統技だ。スカーフやワンピース、テーブルクロスからベッドリネンにいたるまで、見とれるようなレースや刺しゅうの品があちこちの店で売られている。

 本格的にレースの歴史を知りたいなら、レース博物館へ。機械生産でいったんは衰退したレースを、ピザの名前でも知られている19世紀のマルゲリータ王妃が“復興”させたといわれる、レース専門学校の跡地が、この博物館だ。

 博物館正面から向かい側に見えるのが、サン・マルティーノ教会。ガイドブックなどではあまり紹介されていない古くて地味な教会だが、隣に建つ鐘楼は“知る人ぞ知る”有名な建造物だ。なにせピサの斜塔よろしく、相当傾いている。イタリア旅行に来たけれど、ピサまで足を伸ばす日程の余裕がない、という人は、この鐘楼は必見だ。

 さて、そうやってそぞろ歩いている両側には、世界一カラフルな町並みが続いている。赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ…。絵本の中に入り込んだような空間がそこにある。かつて漁師たちが、霧の中でも自分たちの島や家が分かるように鮮やかに塗ったといわれていて、今でもきれいに塗り直しながらその景観を保存している。

最終更新:6/7(水) 7:00
オーヴォ