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国の奨学金、返済不要の「給付型」新設 無利子も拡大

6/7(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 子どもの大学進学で国の奨学金の利用を考えています。返す必要のない奨学金が新しくできたと聞きました。制度について教えてください。
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 国の奨学金は2017年度に大きく変わった。以前は返済が必要な「貸与型」だけだったが、返済不要の「給付型」を新設。貸与型も無利子のタイプを中心に改正された。制度は日本学生支援機構が運営する。18年度入学者の学校から機構への推薦期間は7月中旬まで。希望者は在学する高校が定めた期限で申し込む。
 給付型の対象人数は2万人。住民税非課税世帯の子どもが主体で「十分に満足できる高い学習成績」などの学力・資質の基準がある。金額は進学先と通学形態の組み合わせで異なり、国公立大・自宅通学は月2万円、私立大・自宅外通学で同4万円となっている。
 給付型は始まったが、人数が少なく金額も十分とはいえない。多くの人が利用するのは、やはり貸与型だろう。家計や学力の基準はあるが、給付型よりハードルは低い。貸与型は累計で1200万人を超える実績があり、現在では国内の大学生の2.6人に1人が利用しているという。
 貸与型には利子がない第1種と利子がある第2種がある。17年度に大幅に見直されたのは無利子の第1種。住民税非課税世帯の子どもを対象に学力基準を撤廃、1学年の貸与人数を4.4万人増の15.1万人(大学院除く)に拡大した。文部科学省では「予算の制約がなくなり、基準を満たす希望者は全員利用できるようになった」としている。
 金額のパターンも増やした。進学先などで異なるが、従来の2種類に1~3種加えた。例えば、国公立大・自宅通学は2万、3万、4.5万円から、私立大・自宅外通学は2万、3万、4万、5万、6.4万円の中から選ぶ。給付型との併用を見込み、きめ細かな設定で利用しやすくした。
 卒業後の返済は毎月決まった額を返す「定額返還」だけだったが、所得に応じて返済額が変わる「所得連動返還」も導入した。所得連動では、保証機関が連帯保証する機関保証制度に加入する必要があるが、その保証料も約15%下げた。
 一方、有利子の第2種は第1種ほどの変更はない。これまで通り、3万~12万円の間で決められた5つの金額から貸与月額を選ぶ。
 貸与型は「必要に応じて必要な金額を利用することが重要」(同機構)。借りすぎに注意したい。返済義務を負うのは子どもなので、安易に利用すれば卒業後に返済に苦労することもある。親も一緒に慎重に検討する必要があろう。また、国以外に大学、自治体、企業財団などが独自に実施する奨学金もある。情報を集めて併せて考えたい。
[日本経済新聞朝刊2017年6月3日付]

最終更新:6/7(水) 7:47
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