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THAAD配備韓国・星州はヘリパッド工事の沖縄・高江と瓜二つ

6/7(水) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 北朝鮮のミサイル実験後の東アジア情勢の混沌を反映するように、THAAD(サード)ミサイルシステム設置を巡る韓国と各国の軋轢は深まっている。著述家の古谷経衡氏が、設置場所である星州を訪れた。

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 グレゴリー・ヘンダーソン曰く、「フランスにおけるパリがそうであるように、ソウルは朝鮮最大の都市であったばかりでなく、朝鮮自身でもあった」(『新・韓国現代史』文京洙、岩波新書)。という訳で、半島情勢を知るにはまずソウル見分が肝要である。しかし今回私の渡韓の目的は同国大統領選挙の結果、文在寅氏が当選した直後のソウル市の空気感ではなく、折しも大統領選挙でも争点のひとつになった韓国中南部・慶尚北道に設置された在韓米軍のサード設置場所である、同星州郡である。

 このサードは日本では「高高度迎撃ミサイル」と訳されるが、かいつまんで言えば迎撃高度20km程度のPAC3よりもはるかに広い範囲(150km、成層圏より上)をカバーできる弾道弾向けの迎撃システムである。このサード配備を巡って、大統領選挙期間中の前後、3000人とも1000人ともいわれる反対派が、寒村に押しかけ熱狂の如く反対のシュプレヒコールを上げたことは日本でも大きく報道された。

 だが当然のこと、サード配備は文在寅就任後5日目にしてIRBM(中距離弾道ミサイル)発射実験を行った北朝鮮への有効な防御手段の一つである。が、何故に韓国人はこのミサイルに反対するのか。

「左派(進歩派)」で「対北融和派」と目される文氏の勝利を含め、日本では「韓国は北の脅威を忘れた平和ボケ」という大合唱が巻き起こり、慰安婦合意の見直し問題の再燃が危惧されている。韓国で一体何が起こっているのか。

 ソウルからKTXで南下すること1時間半、星州サード配備地は総世帯約80戸のウリ畑が広がる集落であった。そこに、サード反対派の大集団が、「平和」「サード反対」「ミサイルはいらない」などの横断幕とテント小屋を張り、村の公民館を丸ごと反対派の拠点として居座っている。サード車両と付属するXバンドレーダーの設置場所に続く山道は、韓国警察と軍によって検問所が出来ている。私はもう何度目かの既視感に苛まれていた。

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