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FBIが組織拡大に利用したインディアン連続殺人

6/7(水) 11:20配信

Wedge

■今回の一冊■
Killers of the Flower Moon
筆者 David Grann
出版社 Doubleday

 きっとハリウッドが映画化するだろう。一読してそう思わせる迫真のノンフィクションだ。1920年代のアメリカ・オクラホマ州で本当に起きた連続殺人事件の真相に迫る。サブタイトルに「The Osage Murders and the Birth of the FBI」とあるように、インディアのオセージ族(Osage)の20人を超す人々が次々と銃や毒薬で殺され、アメリカ連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出す。

 オセージ族が住む土地は、豊富な原油を埋蔵していた。その地下資源の権利を保有するオセージ族は、油田を開発する権利を石油会社に売り巨万の富を抱えていた。その利権を狙う白人たちの手により、オセージ族の人々が次々と殺されるのだが、犯人はつかまらない。

 当時は、科学的な捜査手法が確立しておらず警察制度もまだ整備されていなかった。オセージ族の被害者の遺族たちは自費で私立探偵を雇う。しかし、私立探偵そのものが不正に手を染めるたちの悪い連中でもあり、真相は解明されない。しかも、アメリカ政府当局に陳情しても、インディアンの人権を無視する白人がほとんどだ。罪もないインディアンたちを殺した悪漢たちに正義の裁きは及ばないかにみえた。連続殺人が全米でも注目を集め始めたとき、FBIは若き捜査官を現地に送り込む。

 正確には当時、FBIはまだBureau of Investigationと呼ばれていた。組織名にFederal(連邦)がついていないことが物語るように、全米をカバーする捜査機関としての権威を確立していなかった。注目事件を解決してFBIの評判を高め連邦捜査機関としての権威を高めよう。長官のエドガー・フーバーにはそうした目論見があった。フーバーが送り込んだ捜査官たちは見事、真犯人を割り出し刑務所へと送り込む。しかし、現代に至るまで未解決の闇の部分が事件には残っている。本書の筆者は、古い捜査記録を丹念に読み込み、新たな真相も浮き彫りにする。

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最終更新:6/7(水) 11:20
Wedge

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