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【試乗記】RRで登場した新型ルノー トゥインゴのマニュアルはオモシロイぞ!

6/7(水) 22:02配信

GQ JAPAN

ルノーの末っ子モデル、トゥインゴにマニュアルモデルが加わった。かつての名車、ルノー5(サンク)を彷彿とさせるエクステリアをまとい、RRレイアウトというクルマ好きの心をくすぶるパッケージングで登場した新型を、今尾直樹が評価する。

【フォトギャラリーはこちら:新型ルノー トゥインゴ】

■ルノーのRRを体験

日曜日の朝、早起きして箱根までドライブに行こうなんて気になるのは、乗りたいクルマがあるからだ。なんて幸せなことだろう。朝早いといっても、4月下旬のことで、寒くもなければ暑くもない。春は曙、やうやう白くなりゆく山際、というほど早い時間ではなくて、空は晴れ渡っていて最高のドライブ日和です、いとおかし。

乗りたいクルマとは、ルノーのベーシック・カー、トゥインゴのマニュアルである。このクルマ、ポルシェ 911と同じリア・エンジン/リア・ドライブ、いわゆるRRなのだ。

トゥインゴ自体は昨年すでに上陸済みだけれど、MTは本年1月から導入が始まった。それまでは「インテンス」というグレードで、デュアル・クラッチの6段オートマチックのみ。5段MTは、装備をよりシンプルにした禅的境地の「ゼン」でのみ設定があり、価格は171万円である。いまどきの軽自動車が200万円を超えちゃったりすることを思えば、大バーゲン価格ではあるまいか。

3代目となる現行トゥインゴは、メルセデス・ベンツのマイクロ・カー、スマートとルノーとの共同開発車である。設計も生産もルノー主導ながら、RRという特異なレイアウトを採用しているのは、スマートの伝統に敬意を表してのことだろう。スマートは1997年の登場以来、衝撃吸収空間を確保しやすいRR方式を採用しているのだ。

もっとも、三菱との共同開発による初代フォーフォーはフツウの前輪駆動で、デザインもいまいちスマートっぽくなかった。スマートがいま、同じRRプラットフォームをベースにして2座と4座をつくっているのは、単にコストダウンのためだけではなくて、RRをブランドのアイデンティティとして一貫させたかったのだろう。

ともかくこの提携のおかげで、トゥインゴは3代目にして初めてRRになった。ルノーのRRというと、戦後すぐに登場したフランスの国民車4CVとか、1960年代のR8とかをマニアは思い浮かべるわけだけれど、筆者は、いつかそれらに乗る日に備え(そんな日は来ないかもしれないけれど)、いまのルノーのRRを体験しておきたかったのである。

■キュートでラブリーで、カワイイ

某日の夜、GQ編集部のある宮益坂のビルの前の路上に佇むトゥインゴは、「フレンチ・ブルー」と呼びたいボディ色をまとっていた。写真同様、キュートでラブリーで、カワイイ。

エクステリアはルノーの70年代の小型車の傑作である5(サンク)、あるいはそれのミドシップ版の5ターボを参考にしたそうだけれど、コワい顔が主流の平成の世の中にあって例外的に柔和で平和なところがイイ。RRであることを主張するリアのふくらみが控えめにあって、2ドアに見えるように後ろのドアのノブが隠されていたりもして、スポーティなデザイン要素も加わっている。

インテリアはいささか女の子っぽいけれど、基本的にはごくシンプルで好ましい。ポップでモダンで、あっさりしている。タコメーターがないのはさみしいけれど、ステアリングホイールとシフトノブは革巻きで赤いスティッチが入っている。グレーのシートはシックでカジュアルで、全部ひっくるめてビンボーくさくない。

日産マーチよりも全高が30mmだけ高くて、ホイールベースが40mm長くとられていること以外はマーチよりもコンパクト、具体的には全長3620×全幅1650×全高1545mmだけれど、十分な室内空間が確保されている。フロント・スクリーンが比較的立っていて、クラシックな感じがするのも美点というか、筆者好みだ。

キイをひねって走り出すと、エンジン音がとても静かである。ガソリンを内部で爆発させる騒音源がフロントにあるより、リアにある方がドライバーから離れるからだ。2490mmのホイールベースのはるかかなたで、3気筒が奮闘している。

「EDC」と呼ばれるデュアル・クラッチ・トランスミッションのトゥインゴが0.9リッター・ターボであるのに対して、MTのみ1リッターの自然吸気エンジンを搭載している。最高出力71ps/6000rpm、最大トルク91Nm/2850rpmと、トルクだけ見ると軽自動車のターボ以下のトルクしかない。

それゆえ、ガスペダルをベタ踏みしても、ポルシェ 911みたいにドンと後ろから蹴っ飛ばされるような感触はない。そういう意味ではRRっぽくはない。曖昧に進んでいく感じがする。車重が960kgと軽く、それを走らせる低速トルクは十分で、信号からのスタートで遅れをとることはない。クラッチの操作もギア・シフトもむずかしくない。

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最終更新:6/8(木) 22:48
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