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「睡眠の質」を追い求めすぎるのは無意味! 「眠くなってから寝る」でいい

6/7(水) 9:00配信

週刊SPA!

 快眠を促すグッズや方法は巷でよく見かけるが、そもそも人生の3分の1を占める“睡眠”にはどんな役割があるのだろうか。神経科学者の櫻井武氏はこう解説する。

「まず、睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。ノンレム睡眠は『脳の休息』と呼ばれ、脳の働きを低下させたうえで、記憶の強化や脳に溜まった老廃物の除去を行うといった働きがあります。一方のレム睡眠は、脳が覚醒時と同じように活発に活動している状態。この2つの睡眠を交互に繰り返し、快適な翌日のために心身の準備を行うのが“睡眠”です」

 精神障害の専門医・三島和夫氏もそのサイクルの重要性を説く。

「どちらか一方だけあればよいというものではありません。2つの睡眠はともに感情と記憶、ホルモン分泌などに関わっており、どちらか一方が不足しても気分の異常や記憶障害、インスリンなどの糖代謝に異常が出てしまうことが研究によってわかっています」

 しかし、現代人は望まずして十分な睡眠時間が確保できないこともしばしば。少しでも質の高い睡眠を取る方法はあるのだろうか。

「そもそも、自分ではよく眠れなかったと感じていても、睡眠中の脳波を計測してみると良い睡眠を取れていることはよくあります。その逆も然り。つまり主観と客観には乖離があり、睡眠の質を感覚的に追い求めることにはあまり意味がないんです」(櫻井氏)

 三島氏もまた、睡眠にこだわらず、“眠ろうと意識しない”ことこそが快眠のコツだと指摘する。

「寝ようと意識することそのものが不安になり、より入眠を妨げてしまいます。また、翌朝起きてからも『昨夜は眠れなかった』という不満につながります。無理に長く寝る必要はなく、“眠くなってから寝る”でいいんです」

 さらに両氏いわく、“起きている時間の活動”のほうに目を向けることが重要なのだとか。

「朝しっかりと起きて日光を浴びることで、体内時計が整います。正しいリズムが良質な睡眠のサイクルにつながるのです」(三島氏)

 睡眠の状態の把握にしても同様。

「起きて半日活動した頃に眠気がなければ、十分な睡眠が取れている証拠。眠くて仕方がなくても、20分以内の仮眠で、夜の主睡眠の妨げにならずに睡眠を補うことができます」(櫻井氏)

 正しい睡眠は正しい活動から。「快眠」のワードに踊らされすぎるのは本末転倒なのだ。

【櫻井 武氏】

神経科学者。筑波大学医学医療系教授。国際統合睡眠医科学研究機構副機構長。睡眠研究の第一人者で、将来のノーベル賞候補ともいわれる。著書に『睡眠の科学』(講談社)ほか

【三島和夫氏】

精神科医。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長。不眠症の診療ガイドライン作成にも携わる。著書に『不眠の悩みを解消する本』(法研)ほか

取材・文・撮影/キンゾー 桜井恒二 姫野ケイ 福田フクスケ 六原ちず(中野エディット) 河本翔平(本誌) イラスト/Rikuogihara

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日刊SPA!

最終更新:6/7(水) 9:00
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