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月400万稼ぐ銀座の最年少ママと不安を抱えて働き続けるガールズバー店員――夜の街で働く24歳の明と暗

6/7(水) 16:00配信

週刊SPA!

 有名大学を出れば、普通に一般企業に就職して手堅い人生を送っていくことが大半の人の道だろう。しかし大学を出てホステスになるという選択をする人も増えていると言う。今の大卒ホステス事情の最前線を垣間見る。

「今は……月収で、サラリーマンの方の平均年収くらいもらっています。うしろめたさ? もちろんありますけど、私に『昼の仕事のほうがいいんじゃないの?』って言ってくる人には、『じゃあアナタがホステスやってみれば?』って思っちゃうかな…」

 そう語るのは、現在銀座のクラブ界隈で、お店の女の子を管理する「ママ」の座に最年少で就く、クラブ「Monterey」の桐島とうかさん、24歳。学習院大学卒の彼女は昨年の11月にこのお店でママに就任し、今の銀座の最年少ママとして看板を張っている。

「水商売に足を踏み込んだきっかけは、学生時代の事業の失敗でした。大学1年の時に起業したんですが、上手くいかなくて、その負債を取り戻すためにその年の夏から親に内緒でホステスを始めたんです」

 彼女の両親は共に公務員。堅実な家庭で育った。子育てにも厳しく、高校生時代はアルバイト自体禁止で、水商売なんてもってのほかだったという。

「最初は六本木のクラブで仕事を始めました。週4~5日やって、1か月で200万円ほど稼げたこともあって、事業で失敗した負債はすぐに返済できたんです。お客さんと話して楽しませることに向いていたんだと思う」

 負債は完済したが、ホステスは向いていると感じたとうかさんはそのまま夜の仕事にのめり込んでいくことに。

「もともと稼ぐって行為が好きなんです。稼いだ給料を投資とギャンブルに突っ込んだ時もあるし、負けが込んだ月はそれをガソリンにして、めちゃめちゃに働けましたね(笑)」

 そんな彼女にも就活を考える時期が訪れた。そのとき、自分のお客さんから、会社勤めの厳しさを目の当たりにしたと語る。

「某大手銀行の、40歳くらいの部長クラスの方のお話をきいたんです。月収は当時の私の1/3ほどで、任されている重要な仕事は書類のハンコ押し。それに夢がないなと思っちゃって……。堅実に働くという未来に違和感を覚えました」

 しかし夜の仕事に対する引け目を拭いきれない彼女は、周りの大学生と同じように就活をした。内定も獲得、内定式まで出たが違和感は消えず、卒業前に内定を辞退。『銀座でママになる』という目標を立て、家族の反対を押し切ってホステス専業を決意する。

「親に従って昼の仕事を選んでいたら、後悔することは明白でした。『銀座に定年はない』って言われるから、好きなことを納得するまでってやろうと決意しましたね。」

 その後彼女はママになるため努力を重ねる。新聞、週刊誌には必ず目を通し、月に2500人に営業メールを送った。その結果、銀座でママの座を勝ち取るまでになった。将来の結婚観について彼女はこう語る。

「結婚したいかどうかって…したいに決まってるじゃないですか(笑) でも合コンをしたとしたら、夜の仕事の話は言えないです。誇りは持ってますけど、引く気持ちもわかるし……」

 結婚はしたいが、今は難しいと感じているそう。最後に仕事においての目標について聞いてみると。

「『お金がそんなに欲しいの?』とか聞かれたときは、じゃあ逆に『いくらあったら足りますか?』って聞き返したくなります。1億円貰ったって、東京でマンション買えばなくなるでしょう。それにこれからは、お金じゃ買えない仕事もしたいです。クラブは企業の方が、日頃の疲れを癒したり、時には重要な商談の場として使われます。だからこそ来てくれる方には、頂戴する金額以上のものを返したい。そうすることで、世間の人が持っている、『夜の仕事は下品』という偏見を変えたいです」

 一方、大学を卒業して水商売を選ぶも、将来に不安を抱えながら働く子もいる。中野区のガールズバーで働くアミさん(仮名)は、年齢はとうかさんと同じ24歳で、都内の有名私立大学を卒業している。

「お姉ちゃんも水商売をやっていた影響で、私も偏見がなく、大学一年生の春から始めました。卒業後は新卒で一度百貨店に就職したんですが、月15万くらいしかもらえなくて。東京で一人では暮らしていけず、ガールズバーに戻りました」

 彼女は週5日出勤して、少ない月でも30万円程を稼いでいたという。それは全て自分で使っていたが、贅沢しているとは思っていなかった。

「卒業後は彼氏の家に転がり込んで、月3万だけ払って住まわせてもらってました。でも百貨店の仕事がきつくて辞めてしまい、夜に戻ってから彼氏と上手くいってないです。別れて引っ越したいけど、貯金なんてしたことないし……。」

 十分な収入はある彼女だが、休みの日には何をしているかと聞くと、淡々とこう答えてくれた。

「夜をやっているせいで、休みの日も昼は寝ているし、起きたら自分のお店に飲みに行っちゃうんです。だからどんどん自分の環境が、狭くなっている気がします。最近楽しかったことは、お店の子と行ったディズニー。それ位かな」

 一般企業の友人と自分を比べてしまうと不安を感じることも多いという。

「同じ店で働く30前半の同僚に指名が減ってゆく様子を横目で見て、自分の将来に感じる不安も増えます。私には『自分の店を持ちたい』っていう目標もないし……。何にも考えていないんです」

 とうかさんにも聞いたように、彼女の将来の夢を聞くと「結婚」だという。

「うちのお店って、辞めていく子は大抵お客さんと結婚して辞めるんです。私もそうやって結婚していくしか、道はないかなって思ってます。ずっとこの仕事をやっていくつもりもないし…てか、できないでしょう。でも、今は辞める理由がないから続けてます。」

 彼女にもとうかさんと同じく、将来について伺った。

「周りの友人も、自分みたいな子は多いです。昼とかけもちしてたけど、いつのまにかこっち一本になって、何となく不安抱えて……。夢とか目標とかって、持つだけでもすごく難しいと思うんです」

 夜の街に夢を見出せたとうかさんと、思い悩むアミさんの明と暗。二人の未来が明るければと、願ってやまない。

<取材・文/伴家 呂>

日刊SPA!

最終更新:6/7(水) 16:00
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