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訪日客おもてなし、ママ再び輝く パソナが派遣・紹介

6/8(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 パソナグループは育児などで職場を離れた女性を対象に、訪日客応対のための人材サービスに乗り出す。電話での話し方、異文化に接する心構え、翻訳機器の使い方などについて研修したうえで、企業に派遣する。インバウンド需要の拡大をにらみ、まず6月に九州で始めて、ほかの地域にも順次広げる。直接雇用をあっせんする人材紹介や、派遣から直接雇用に移行する紹介予定派遣も想定している。
 対象となる女性は主に出産や育児などで一度退職したものの再就職を希望する主婦層。事務職からキャリアチェンジを希望する女性や語学力を生かした仕事を希望する女性も想定する。
 最初の地域として九州を選んだのは、外国人入国者数が過去最高を更新し続けており、応対する人材の需要が伸びているため。第1期生として約30人を受け入れ、年間100人の育成を目指す。
 研修にあたっては、人材教育をてがけるグループ会社のキャプラン(東京・港)と連携する。同社は日本航空の国際線客室乗務員出身の講師を抱えており、外国人との接遇の研修ノウハウがある。
 基本的な挨拶なども含めて、キャリアブランクを埋めるためのビジネスマナーを身に付けさせる。タブレット(多機能携帯端末)を使った多言語通訳サービスを活用できるようにする。空港や百貨店での現場体験も予定する。研修に費用はかからない。
 研修後、訪日客需要が見込まれる百貨店やブランドショップ、ホテル、交通機関などに派遣する。外国人観光客の対応を主とした受付や販売などが中心になる。
 福岡県内の職業別の有効求人倍率をみると、飲食店などでの接客サービスは2017年3月時点で3.71と前年同月比0.16ポイント上昇した。全国は3.82。商品販売の職業は2.50と0.57ポイントの上昇。全国は2.18。観光の玄関口である福岡市中心部では、人手不足がいっそう強まっている。
 福岡市によると、市内の推計人口は男性約73万に対し女性約82万人と多い。パソナグループでは女性の職場復帰支援により雇用を創出できる余地が大きいとみている。
◇  ◇  ◇
 パソナ創業者の南部靖之グループ代表に、地方での事業戦略や活性化策について聞いた。
 ――訪日客の増加により人手不足感が高まっています。
 「インバウンド需要は加速している。福岡の成長は今後も続き、都市間競争は避けられなくなる。訪日客に喜んでもらう仕組みを作るためには教育が必要だ」
 「立命館アジア太平洋大学(APU)もあるが、留学期間を終えると帰国してしまう留学生も少なくない。九州に仕事はあるので、企業との接点を作って意欲のある人に働いてもらう事業も考えたい」
 ――これまで地方での農業活性化や就業支援などを通じて地域活性化に注力してきました。
 「地元の名物を掘り起こすだけでなく、それにサービスをミックスさせれば新しい産業に育つ。雇用が生まれ人材も集まる。文化度やサービスのレベルが本当の都市の価値で国内総生産(GDP)を超越する指標だ。地方はもっと伸びるはずだ」
(新井惇太郎)
[日本経済新聞朝刊2017年5月19日付を再構成]

最終更新:6/8(木) 7:47
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