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英国人が見たシリア戦「中盤は本田のネクストポジション」「親善試合というより“観客がいた紅白戦”」

6/8(木) 10:01配信

フットボールチャンネル

日本代表は7日、キリンチャレンジカップでシリア代表と対戦して1-1で引き分けた。この試合中、現地で取材しているイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。

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●「注目は今野」「ハリルはベストメンバーを使いたいみたい」

――今日は日本代表史上3試合目となる味の素スタジアムでの開催ですね。
「たまには良いと思う。埼スタは帰りづらいから…(笑) 代表戦は夜遅くなるからアクセスも重要」

――この試合で注目する選手は誰でしょうか?
「今野だね。最近はJリーグでも試合に出ていないから、どれだけのコンディションなのか注目したい」

――シリア戦はどのような意味を持つ試合なのでしょうか?
「2ヶ月ぶりの代表戦なので、チームコンディションや戦術理解などをブラッシュアップできればと思う」

――ハリルホジッチ監督は多くの新戦力を招集していますが、先発メンバーの中でデビューする選手はいませんでしたね。
「来週のイラク戦は絶対に勝たなければならないので、ハリルはベストメンバーを使いたいみたいだね」

――ショーンさんが途中から見てみたい新戦力はいますか?
「中村が見たかったけど、GKの交代は多分ないね。彼以外なら乾かな」

――この試合ではW杯初出場から20周年を記念した炎ユニフォームを着用していますね。
「僕はあまりユニフォームに興味がないんだ。(笑) デザインはちょっと古風な感じ。20周年記念ユニフォームだからそうなのかな」

●「眠くなる試合」「前半戦は怪我しかなかった」

――前半10分で香川は肩の負傷で倉田との交代となりました。
「親善試合でベストメンバーを組めば、当然そのリスクはあるね…」

――清武、西川、森重といった代表常連組が選ばれなかったことをどう思いますか?
「3人とも最近Jリーグでベストパフォーマンスを出していなかったから妥当だと思う」

――前半25分が経過しましたが、シリアはアグレッシブに攻撃を仕掛けてきますね。
「意外なことではないね。シリアもまだ最終予選でチャンスがあるから」

――日本はなかなかチャンスを作れないですね…。
「眠くなる…。本当に親善試合だね」

――攻撃では右サイドの久保が厳しいマークにあって機能できていないようです。
「まぁ、攻撃の時はチーム全体がそんな感じだね」

――前半が終了しましたが、特に何もない前半戦でした…。
「香川の怪我しかなかったね…」

――後半に向けて必要な選手は誰になりますか?
「岡崎だね。攻撃でのパワーアップが必要」

●「長友はアシストでヨーロッパでの経験を見せた」「今野はゴールマシーン」

――後半が始まって3分で失点してしまいました…。右サイドのクロスから最後はマルドキアンがヘディングシュートを決めています。
「簡単過ぎたね…。クロスにプレッシャーをかけられていなかったし、昌子のマークも甘かった」

――日本は10分後に同点に追い付くことに成功しました! 長友が左サイドを突破し、最後は今野が押し込みました。
「長友はよくやったね。突破も良かったけどそれ以上に冷静なアシストが良かった。ヨーロッパで長い間プレーした経験を見せたね」

――今野は代表2試合連続ゴールです。
「ゴール・マシーン!」

――ハリル監督は乾を投入しました。今日は親善試合だからか、積極的に交代枠を使ってきますね。
「原口と乾は同じようなタイプの選手だと思う。でも今野の代わりに浅野というのは積極的だね」

――本田は中盤のインサイドハーフにポジションを移したようです。
「そうだね。彼のネクストポジションだと思う」

――乾はパスコースがよく見えているようです。攻撃を活性化させるプレーを見せていますね。
「バルサから2ゴールを奪った自信が間違いなくある。自信は大事だね!」

――試合は残り15分ですが、勝ち越しには何が必要でしょうか?
「イマジネーション。ゼロから生み出さないといけない」

――シリアもこの時間で勝ちにいく姿勢を見せていますね。
「もちろん。シリアにとってこの試合に勝てれば大きい。サッカー以外にも大変なことがあるから、意味ある勝利になるね」

●「長友は常に攻撃のアクセントになった」「典型的な親善試合だった」

――結局試合は1-1でドローに終わりました。90分を通じてどういう印象でしたか?
「まぁ…。典型的な親善試合だったね。それより“観客がいた紅白戦”だったかな」

――ショーンさんが選ぶこの試合のMVPは誰ですか?
「乾は良いインパクトを残したと思うけど、試合全体を通して長友はポジティブだったね。常に攻撃のアクセントになった。次の試合でそのようなアプローチは大事になる」

――イラク戦に向けて内容、結果ともに不安の残る試合でした。何を改善すべきでしょうか?
「親善試合で結果は別に重要じゃないと思う。代表戦は2ヶ月ぶりだったし、多くの選手のコンディションも100%じゃないから結果より体力や戦術面を再確認できたことが大切。今日の前半はあまり良くなかったけど、後半は少しずつ良くなったと思う」

――今日は5人に代表デビューの可能性がありましたが、デビューしたのは井手口だけでした。イラク戦で他の4人がデビューする可能性は低そうですが、彼らを招集したことにはどんな意味があるのでしょうか?
「意味は3つあると思う。1つ目は、その5人にとって良いモチベーションや経験になる。2つ目は、選ばれなかった選手への“ウォーニング”(=警告)になること。もしチームでパフォーマンスをキープできなければ代表でプレーできなくなる。3つ目は、代表経験が無い他の選手にとって良い刺激になったこと。『監督は全ての選手を見ているから俺もチャンスがある』と思えることだね」

――香川と蛍が負傷してしまいました。他にもコンディションが整っていない選手もいるようですが、これはイラク戦の不安要素になりそうでしょうか。
「サッカーでそれはよくあること。常にベストイレブンで試合を続けることはできない。だからこそ代わりの選手も同じレベルでプレーしないといけない。特に香川の怪我は残念だけど、倉田や乾にとって良いチャンスになるかもしれない」

――ありがとうございました。イラク戦もよろしくお願いします。

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

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