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【桐島かれん】50代“ひとりになる旅” [おとなスタイル]

6/8(木) 10:00配信

講談社 JOSEISHI.NET

4人の子どもに、写真家の夫、アシスタントたち、ペットもたくさんいますから、私のまわりにはいつも元気な生き物がたくさん。食事の支度だけでも大変で、目がまわるような毎日です。
そんな日常から開放されるのが、旅に出る時間。ホテルでは、部屋の空間を自分の好きなようにコントロールできるし、洋服もふだんは動きやすさが第一だったりするけれど、旅先では好きなおしゃれを存分に楽しめる。ひとりって、ほんとに素敵です。なんて贅沢な時間なんでしょう!

旅支度は真剣勝負です。訪れる国や街の天気予報や気温をチェックして、私は旅行中に着るもののスタイル画を、1日ずつちゃんと描くんです。靴下やバッグも含めた日数分全部。でないと、持っていく服に無駄が出るし、「何を着よう」と、そこで迷う時間がもったいない。きちんと全部アイロンをかけて、シワにならないように、折りたたむところには布をはさんだりして、プチプチ(エアパッキング)でスーツケースの隙間を埋めて出来上がり! 帰りはそのプチプチが、旅先から持ち帰るお土産のパッキング材に。

40代には、これまで着ていた服が似合わなくなり、愕然とした時期もありました。でも50代になって、おしゃれも次の段階に入った気がします。
ボディラインを強調する服が必ずしも、今の自分をすっきり見せてくれるわけではなくなり、むしろ風をはらんだ、ゆったりとしたシルエットの中で体が遊ぶような服のほうが、女らしい華奢なラインが浮き上がったりする。
そういうデザインや素材を選んで、快適に過ごす賢さが身についてきました。

この年齢になると、新しく手に入れた服とは一生の付き合いになるかもしれませんよね。だからこそ、ちょっと値段がはっても、素肌に気持ちのいい素材や縫製の良いものをワードローブに加えたい。以前から好きなハンドクラフトの織物や刺繍が、ますます似合う年頃になってきたのもうれしいことです。若い頃には避けていた、きれいな色も50代ならしっくり着こなせます。
旅に持っていく服は、ある意味、一番完璧なセットです。着回しができて、動きやすくて、今の自分を一番すてきに見せてくれる組み合わせ。おしゃれのレッスンをする意味でも、旅支度をすること、旅に出ることは、おとなの女の必須科目と言えそうです。

■Profile
桐島かれん
きりしまかれん/「ハウス オブ ロータス」クリエイティブディレクター。1964年、作家・桐島洋子の長女として生まれる。大学在学中にモデルを始め、女優、ラジオパーソナリティー、雑誌連載とマルチに活躍。’93年に写真家の上田義彦氏と結婚。22歳を筆頭とする四児の母。自身が全面的にディレクションするショップ「ハウス オブ ロータス」二子玉川店が3月8日にオープン。





『おとなスタイル』Vol.7 2017春号より
撮影/相馬ミナ