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ハリルJ、乾・本田・井手口など後半に収穫も…前半のテストは完全に失敗。守備組織機能せず【西部の戦術アナライズ】

6/8(木) 11:07配信

フットボールチャンネル

 7日、日本代表はシリア代表との親善試合に臨み1-1で引き分けた。前半はシリアに押し込まれる時間が長く厳しい展開となったが、後半に入ると途中出場した選手たちが随所に好プレーを披露し、攻勢をかける流れに。全体として試合内容が良かったわけではないが、W杯予選イラク戦に向けていい教訓になった試合と言えそうだ。(取材・文:西部謙司)

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●イラク戦を見据えた一戦も…前半は完全なるテスト失敗

 引き分けという結果は気にしなくていい。イラク戦のスパーリングとしてシリア戦は良い機会だった。試合内容が良かったという意味ではなく、これが本番でなくて良かった、いい教訓になったという意味だ。

 テヘランのスタジアムはピッチコンディションがかなり悪いらしく、きれいにパスをつなぐ展開にはならないとハリルホジッチ監督は予想しているようだ。今回のメンバーは空中戦や競り合いに強い選手を多く選んでいる。

 中盤からのブロック守備をベースに、デュエルに勝ってペースを握ろうというゲームプランだろう。負傷から回復したばかりの今野に固執しているのも、その表れだと思う。

 ところが、シリア戦の前半はその意味で完全なるテスト失敗だった。

 まずベースになるはずの守備組織が機能していない。4-3-3同士のマッチアップなので、互いにアンカーはフリーになる。相手がビルドアップを開始したときには、相手のCBやアンカーがフリーになって攻撃の起点となる。日本はインサイドハーフが前線に出てプレスするところから組織守備がスタートになるわけだ。

 しかし、倉田のポジションが深すぎて何度も相手にフリーでボールを持たせていた。これではボールの奪いどころが明確にできず、難なくシリアに侵入されてしまう。囲い込んで奪えず、サイドチェンジされるとリカバリーが間に合っていないなど、イラク戦でポイントになるはずの守備の出来が良くなかった。これが本番でなくて良かった。

●ブースターとしての乾。本田インサイドハーフにもメド

 後半に井手口が入って展開がやっと落ち着いている。それまではビルドアップの段階で上手く相手をはがせておらず、大迫のポストプレーが頼みの綱という状態だったが、井手口、今野、倉田のガンバ大阪のトリオが形成されてパスが回り始めた。

 さらに乾が左サイドに、今野に代わった浅野が右サイドに起用され、本田がインサイドハーフに下りる。乾はボールコントロールの上手さ、ポジショニング、突破力で違いを作り出し、本田も展開力とフィニッシュで存在感を示す。前半から気を吐いていた大迫、後半に生き返った倉田とともに日本の攻勢が続いた。

 前半は蓋になっていた久保、原口が退いたことで、SBの攻撃参加も多くなり、とくに左の長友は前半とはうってかわって飛び出しからチャンスを作る。

 乾が攻撃の切り札になりうること、本田のインサイドハーフにメドがつき、井手口のパフォーマンスが良かったのは後半の収穫だろう。ただ、シリアが疲労していたのは間違いなく、日本の後半の攻勢はイラク戦で想定しているゲームプランではない。まずは前半の反省と修正が必要だろう。

 負傷した香川の代役は倉田か本田か、アンカーは山口か井手口か、乾はどのタイミングで使うか……そもそもイラクのペースに巻き込まれることを前提としたゲームプランで正しいのか。いくつかの判断が必要になりそうだ。

(取材・文:西部謙司)

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