ここから本文です

カールは「売上が落ちた」から販売終了するのではない。(多田稔 中小企業診断士)

6/8(木) 7:00配信

シェアーズカフェ・オンライン

長く親しまれてきた明治のスナック菓子「カール」が、東日本で販売終了になると報じられたのは5月26日のことでした。


「明治は25日、スナック菓子『カール』を東日本で販売終了すると発表した。最盛期の1990年代に190億円程度あった売り上げが約60億円と3分の1以下に減るなど低迷。生産を完全に終了することも検討したが“約50年続くブランドを愛好する消費者のために存続を選んだ”という。」(「『カール』東日本で販売終了」 日本経済新聞 2017/05/26付)


子供のころは誰もが一度は食したことのあるこのトウモロコシ原料のお菓子も、確かに最近は口にする機会が減ったような気がします。三橋美智也が歌う牧歌的なCMソングもいつの間にか聞かれなくなっていましたが、最盛期に比べここまで売上が落ちていたとは意外でした。記事によれば、今後は愛媛県の工場で2品種に絞り込んで生産し、西日本だけで販売を継続するそうです。

しかし、「売上が3分の1になったんじゃ撤退しても仕方ない」となんとなく思うだけでは、このニュースの見方としては突っ込み不足です。本稿では、今回の明治の経営判断を少し深掘りして考えてみます。

■“売上60億円”ではなぜダメなのか?
冒頭の記事によれば、低迷しているとはいえ「カール」の売上は今でも60億円あるとのことです。明治ホールディングス株式会社の平成27年度有価証券報告書によると、同社の菓子セグメントの外部売上高は約1,420億円で、60億円はその4.2%にあたります。

ちなみに、スナック菓子大手・カルビーのホームページによれば、同社の連結売上高で「えびせん」が占める割合は4.4%となっています。「カール」「かっぱえびせん」という日本を代表するロングセラー菓子の製造元売上シェアは、奇しくもほぼ同じなのです。角度を変えて考えれば、「カール」の60億円、4.2%という数値は、それなりに存在感のある数字だと評価できます。

それでも明治が東日本での販売終了を決めた理由は、売上が60億円では事業として赤字になるからです。「そんなの言われなくても分かるよ」と思うかもしれませんが、大事なのは「どういうメカニズムで赤字になるのか」を知ることです。

結論を先に言えば、「60億円の売上では、粗利で固定費を賄えないから」赤字になります。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

Yahoo!ニュースからのお知らせ