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命の根幹にかかわる役目を担う「毛細血管」が老化すると…どうなる!?

6/8(木) 21:04配信

OurAge

「血液循環の主役は、動脈や静脈ではなく、『毛細血管』です。動脈や静脈は単に血液を運ぶのがおもな仕事ですが、毛細血管は命の根幹にかかわる役目を担っているのです」とハーバード大学医学部内科客員教授、パリ大学医学部客員教授で、世界の最先端で研究にあたる根来秀行教授は言う。

毛細血管の直径は、髪の毛の10分の1ほどで、肉眼では見えないくらい。そんな極細血管が本当に重要なのだろうか?
「毛細血管はか細いからこそ、全身に網の目のように張り巡らすことができ、全身の血管の99%を占めています。病原菌などの外敵から体を守ってくれる免疫の闘いの場でもあり、“病気になる・ならない“の最前線でもあります。また、ホルモンを運び、体に必要な情報を伝達したり、自律神経と連動して体温を一定に保つ働きもあります」

しかし、年を重ねれば、あちこちガタがくるもの。毛細血管もしかりだ。
「毛細血管を構成する内皮細胞同士の隙間が必要以上に開いたり、内皮細胞と周皮細胞との接着面に隙間ができることで、栄養素や水分、老廃物などが過度に漏れ出る箇所が出てきます」と根来教授。

さらに残念なことに、量が減る。動脈や静脈は年を重ねても数は変わらないが、毛細血管は加齢とともに減っていくのだ。

「毛細血管の内皮細胞は、健康であれば1000日くらいで新しい細胞に入れ替わります。ところが40代くらいからは、新陳代謝されることなく死んでいく細胞が徐々に増えていきます。60代では毛細血管の数が4割も減るといわれています。

この老化現象に生活習慣病が加わると、ますます毛細血管にダメージが加わります。高血圧や高血糖、脂質異常が続くと、血管の細胞が壊されたり、毛細血管の内壁に汚れがたまったりして、血管の弾力性が失われます。さらに悪化すると、血管内が狭くなって血管が詰まり、下の写真のように、管はあるのに血液が流れていない“ゴースト血管”になります。使われなくなった毛細血管はやがて脱落し、消滅します」

毛細血管が劣化して数も減れば、当然、動脈や静脈にも悪影響が及ぶと根来教授は指摘する。
「生命活動の最前線である毛細血管が衰えれば、動脈や静脈の細胞にも酸素や栄養素が行き渡らなくなります。すると、不要な老廃物や水分が排泄されないまま、どんどん体内にたまってしまいます。とはいえ、毛細血管は一部が壊れても、周辺にある別の毛細血管が発達してサポートするため、すぐに致命傷になるようなことはありません」

ほっとひと安心だが、裏を返せば毛細血管が劣化していても気づきにくい、ということでは…
「まさにその通りで、毛細血管の老化はじわじわと進行していくのです。放っておくと、動脈硬化も進み、重要臓器の新陳代謝が滞り、さまざまな不調や病気を招くことになります」

どんな不調が起こるのだろうか?次回はそれを詳しくみていこう。

最終更新:6/8(木) 21:04
OurAge