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「スタート地点についた」アップルと「AIファーストへと走る」グーグル──見えてきた、それぞれの「未来」

6/8(木) 19:56配信

WIRED.jp

アップルが2017年6月5日(米国時間)に開催した「WWDC」の基調講演は、Siri対応スピーカーのような新製品の発表が脚光を浴びるなど、ほぼ事前予測の通りの内容だった。「まもなくやってくる現実」を発表したアップルに対してグーグルが明示したのは、人工知能(AI)が人間の営みに遍在する「AIファースト」の戦略だった。この2社の温度差から見えてきた、それぞれの「未来」とは。

Siri搭載スピーカー「HomePod」は、音楽好きこそ手に入れるべき

アップルが2017年6月5日(米国時間)に開催した「WWDC」(Worldwide Developers Conference)の基調講演が幕を閉じた。発表の目玉になったのは、音声アシスタント「Siri」に対応したスマートスピーカー「HomePod」。このほかプロ用の一体型デスクトップパソコン「iMac Pro」や新型「iPad Pro」、そして次期OSなどである。

フタを開けてみれば、ほぼ事前予測の通り。まるで噂情報の“答え合わせ”のようだった。

基調講演の後半、アップルCEOのティム・クックは「最後にもうひとつ」(one last thing)と切り出し、アップルと音楽の関わりについて振り返った。iTunesで音楽産業に「革命」を起こし、iPodで音楽を持ち歩く体験を変えた。そしてiPhoneという最高の音楽プレーヤーをApple Musicとともに生み出したのだ、と。そうして紹介されたのがHomePodだった。

「これはホームミュージックの再発明なのです」と、クックは力強く語った。確かに、競合するスマートスピーカーは情報端末としての色が濃い。それらと差異化するためにアップルがとったのが、音楽に特化するという戦略なのだろう。実際にHomePodは、スピーカー単体としても素晴らしい体験を与えてくれるはずだ。

その一方で、スピーカーの向こう側でSiriの“頭脳”となる人工知能(AI)やクラウドの技術については、ほとんど語られなかった。iOSのアプリ内で機械学習を利用できるようにするとのアナウンスこそあったが、こうした動きについては他社が先行している。競争の核心であるAIの“スマートさ”と今後の進化の道筋については、「音楽体験の再発明」という華やかな言葉で曖昧にされてしまったように見えた。

もちろん、基調講演で発表されたのはデヴァイスだけではない。「iOS 11」やmacOS「High Sierra」といった今年後半に公開される新OSも紹介されたが、既存OSのコンセプトの延長線上にある機能強化や、細かな改良が中心である。そのなかではVR(仮想現実)やAR(拡張現実)への標準対応が、iOSデヴァイスの普及台数を考えれば、将来に向けた布石として一定の意味をもつだろう。とはいえ、全体的に見ると2017年のWWDCは、開発者のためのカンファレンスでありながら、やはり結果としてHomePodなどの「もの」が目立っていた。

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最終更新:6/8(木) 19:56
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