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東京新聞の役立たず提案:サイバーテロは条約では防げない --- 山田 肇

6/8(木) 17:03配信

アゴラ

東京新聞の社説「週のはじめに考える サイバーテロの防ぎ方」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017060402000133.html)を読んで驚いた。役に立たない提案が書いてあったからだ。社説は次のように主張する。

“化学兵器禁止条約のような国際条約を作って安全性を高めるべきです。日本は不正アクセス禁止法があり、政府も攻撃手段を持たないことになっています。他の国に比べれば、条約作りを働き掛ける資格があります。日本が率先して働き掛ければ、東京五輪のレガシーにもふさわしいと考えますが、どうでしょうか。”

国家だけがサイバーテロを試みるのだろうか。それが疑問である。核兵器は開発に国家として巨費を投じる必要があるから、条約で禁止しようというのは納得できる。オウム真理教のような例外を除けば、化学兵器禁止条約も有効だろう。

サイバーテロは個人でも実行できる。6月5日にも大阪府の中学3年生がコンピューターウイルスを作成したとして逮捕(http://www.yomiuri.co.jp/national/20170606-OYT1T50015.html)された。生徒は金銭を要求するポップアップ画面が出るプログラムを独学で作り上げたという。これは、東京新聞が社説で取り上げた。「ワナ・クライ」と同じ種類のウイルスである。

個人による犯罪をどうして条約で止められるのだろうか。

ウイルスを作りそうな個人を国家が監視して犯行を未然に防ぐという方法は、テロ等準備罪以上に国民の自由を制限する恐れがある。東京新聞は、国家がこのような国民監視機能を果たすことを期待して、社説を掲載したのだろうか。週末に考えたとしても、この社説はお粗末すぎる。

山田 肇

最終更新:6/8(木) 17:03
アゴラ

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