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信頼を構築する7つの要素

6/9(金) 10:33配信

Japan In-depth

最近信頼とは何かについて社員と議論をしていたので少しまとめて見ました。信頼はどうやって獲得され、信頼の内訳はどうなっていて、また日常私たちはどのような人を信頼しているのでしょうか。

似た言葉で信用というものがありますが、意味は少し違うようで、信用はいわば過去の成果に関してもの、信頼は未来に予測するもの、というのが一般的な見解のようです。まあ、実際にはほとんど違いなく使われているようです。私なりに考えてみて仕事の局面において、信頼は7つの要因に分けられるんじゃないかと思いました。もっと深く考えると他の要素もあるかもしれませんが。

【1】能力ーその人は優秀か。

(総合力、地頭、ポテンシャル、適応能力、成長の余白)

【2】専門性ーその人は何に秀でているか。

(職歴、技能、免許、技術レベル)

【3】貢献ーその人は貢献しようとしてくれるか。

(仕事に対する貢献、リーダーシップ、責任感、コミットメント)

【4】好き嫌いーその人を好きか。

(好き嫌い、その人と一緒にいたいか、その人に得をしてほしいか)

【5】価値観ーその人はどのような判断をしそうか

(共感、世界観、動機)

【6】人脈ーその人の仲間はどのような人たちか

(その人の支援者は誰か、その人の為に動く人は誰か)

【7】影響力ーその人は社会から信用を得ているか

(一般的評価、一般的イメージ、ブランド、発信力)

私の場合、今の所これらを総合的に判断し、人を信頼しているように思います。【7】の影響力は私たちの職業独特の観点かもしれません。信頼とは未来のその人のパフォーマンスに対する予測であり、予測は過去によって支えられています。実際に仕事を一緒にする場合もあれば、その人と会ったり仕事をした周囲の人の評判や、公になっている過去の仕事を見て判断したり、今であればSNSの影響力や発言内容も精査の一部になろうかと思います。

もちろん業界によっても違っていて、例えば閉鎖的な世界では、【4】好き嫌いと【6】人脈が重要になると思います。特に【7】影響力と【6】人脈を持っている重要な人物に好かれているかどうかで勝負が決まったりします。だから、閉鎖的な世界ではとかく人間関係を重視する構図になりがちです。こういう世界では、信頼は【4】好き嫌い、【6】人脈または【3】貢献が大事になると思います。

一方で実力がはっきりとわかりやすく出る世界ではだいぶ様相が変わります。プロスポーツの世界での監督から見ると、ほとんど【4】好き嫌い、【6】人脈、【7】影響力は関係ありません。ウサインボルトはみんなに大いに好かれていますが、仮に嫌われていたとしても監督は起用するでしょう。

チームの場合、広告効果が高いという点で【7】影響力を重視することはあるかもしれませんが、例外ではないかと思います。大事なのは【1】能力、【2】専門性、【3】貢献ですが、もしかしたらチームスポーツでは若干ながら【4】好き嫌いも関係するのかもしれません。アマになるほど【4】が重視され、プロになるほど【2】専門性が重視される感じがします。プロでも若いうちにみつけて育成が必要なものは【1】能力が重視されるように思います。

選択の繰り返しにより、徐々に信頼が獲得されていき、なるほど確かにあの人が選ぶものは確かだという履歴が残ると、さらに信頼は上乗せされます。孫さんのVCには乗っかりたいというのはそういうことかなと思います。反対にその履歴がうまくいっていないと徐々に信頼自体が失われます。

意図せずして自らの信頼が一人歩きすることもあります。有名な美食家が通っている店であったり、ウォーレン・バフェットのポートフォリオであったり、陸上選手の子供が履いている靴だったり、(実際には何も考えずに履かせることが多いですが)あの人が選ぶならいいに違いないと、自動的に足跡が信頼を生んでしまうわけです。

例えば営業などで多いですが、【4】好き嫌いを重視する人もいます。比較的軽い仕事であればこれでもいけますが、ある程度重たい仕事を任せる時には相手も信頼も賭けることになるので厳しくなります。やはり多少なりとも【2】専門性がないと難しいように思います。

また【2】専門性だけを重視してる人の場合、【3】貢献と【6】人脈がなく巻き込みがうまくいかない場合もあります。特に外部の人たちを惹きつける必要がある場合、さらに【5】価値観を前面に出す必要もあります。【5】価値観があるなと思う人間に任せると、後でいちいち修正をかけなくても少なくとも方向性に関しては自分と似た判断をするだろうという予測が立ちます。

若い時は、とにかく【1】能力、【2】専門性、そしてたぶん【4】好き嫌いにも多分に影響を受けて人を信頼していたのだと思うのですが、最近は【5】価値観が一番大事で、次に【3】貢献だなと思うようになりました。価値観が同じで(自由でオープンで内省的)、貢献する姿勢(特に社会に対して)を持っているかどうかが私にとっては重要なようです。

とにもかくにも信頼というのはなかなか得難いもので、商売においてはそれが一番大切だなと感じています。将来的には私も会社も、【5】価値観、【3】貢献、そして何かの形で【2】専門性を評価されるようになりたいなと思っています。

(為末大HPより)

為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)

最終更新:6/9(金) 10:33
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