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<証明>カラスは「ずるい人」を1カ月以上覚えている

6/9(金) 7:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

2年間覚えている可能性も、複雑な社会構造の維持と関係か

 カラスをはじめ、カケス、カササギなどカラス科の鳥は知能が高いことで知られている。人間の顔を識別し、住宅街をうろついてゴミ箱を漁り、死んだ仲間のために葬式まで出す。

【実験動画】カラスは「公平」に接してくれる人間に好意を持つ

 そして、中にはちゃんと取引ができるカラスもいるらしい。

 このたび、公平な取引と不公平な取引をカラスがどれだけ区別できるのかを調べた論文が「Animal Behavior」6月号に発表された。

 研究を行ったのは、スウェーデンのルンド大学、オーストリアのウィーン大学、およびその他の機関の研究者らだ。論文の共同執筆者であるヨーグ・マッセン氏は、ウィーン大学の博士研究員で、認知生物学を専門とする。

「ある種の協力的な関係は、カラス科の複雑な社会生活の一部なのです」と、マッセン氏は言う。カラスがどのようにして物事を選択しているかを理解できれば、「知能の進化を研究するうえで役に立ちます」

 研究に使われたカラスは、マッセン氏と他の研究者らが自分たちで育てたワタリガラス(Corvus corax)という種だ。飼育されたカラスは人間を恐れないので、訓練しやすい。

パンを差し出すとチーズがもらえる

 研究者たちは、9羽のカラスに小さなパンの欠片を与えて、それをもっとおいしいチーズと交換できるということを教え込んだ。第1段階は、「公平な取引」を覚えさせる。トレーナーがケージの片側からパンの欠片を与える。カラスはそれをくわえてケージの反対側へ行くと、そこで別のトレーナーがチーズと交換してくれるというものだ。

 第2段階は、「不公平な取引」。カラスは手順通りの行動を取るが、また別の3人目のトレーナーはチーズを渡さずに自分で食べてしまう。

 2日後、「公平」なトレーナー、「不公平」なトレーナー、そして第3の中立のトレーナーが並んで待ち構え、実験が行われた。7羽のカラスのうち、6羽が公平なトレーナーを選び、1羽が中立のトレーナーを選んだ。さらに1カ月後、9羽全てで実験すると、7羽が公平なトレーナーを選び、1羽が不公平なトレーナーを、そして最後の1羽は中立のトレーナーを選んだ。

 実験はほぼ毎回、ケージの中にカラスを2羽入れて行われた。1羽は、オブザーバーとしてもう1羽の行動を見ていたのだが、それが自分の行動決定に影響を与えることはないようだった。

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