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ティラノサウルスが「うろこ肌」だったのは大型化したためと仮説

6/9(金) 19:26配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

Tレックスのうろこ化石が物語る、恐竜の羽毛進化の新たな道筋

 ティラノサウルス・レックス(Tレックス)を触ったらどんな感じがするだろう? ワニみたいに硬いうろこか、鳥のように柔らかい羽毛か、もしかしたら、その中間かもしれない。

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 カナダ、アルバータ大学の古生物学者スコット・パーソンズ氏は子どものころからそんな想像を膨らませてきた。Tレックスに羽毛があったという直接的な証拠は存在しないが、この20年の間に羽毛を持つ仲間が次々と発見されたことで、恐竜はうろこに覆われていたという仮説は少しずつ追いやられていった。

うろこに覆われていた

 しかし、パーソンズ氏らが科学誌「Biology Letters」に発表した論文が、その疑問を解決するかもしれない。パーソンズ氏らは、米モンタナ州で発掘されたTレックスの化石に残されていた皮膚の印象を調べ、アルバートサウルス、ダスプレトサウルス、ゴルゴサウルス、タルボサウルスなど、ほかのティラノサウルス科の恐竜化石と比較した。

 そして、これらの共通点を発見した。いずれの種もその皮膚は短い羽毛ではなく、小石状のうろこに覆われていたのだ。

「体の様々な部位の皮膚の化石から、こうした羽毛のない部分が見つかりました。少なくともTレックスの体の大部分は羽毛に覆われていなかったことがほぼ明らかになりました」とパーソンズ氏は話す。

 パーソンズ氏は、Tレックスに全く羽毛がないと証明されたわけではないと強調しているが、たとえ羽毛があったとしても、ごくわずかだったのではないかと考えている。パーソンズ氏らがつかんだ有力証拠は、Tレックスが「爬虫類っぽいうろこに覆われていた」ことを示しているという。

羽毛はなぜ消えた?

 もちろん、小石状のうろこの方が例外だった可能性もある。パーソンズ氏によれば、初期のティラノサウルス科に羽毛があった証拠はいくつもあるという。こうした羽毛は現代の鳥類の羽毛に比べると原始的な構造だったそうだ。

 ここで1つの興味深い疑問が生じる。Tレックスのような新しい時代の種が羽毛を失ったのだとしたら、そもそもなぜティラノサウルス科の恐竜は羽毛を獲得したのか?

 パーソンズ氏の答えはこうだ。「間違いなく、体の大きさが関係していると思います」

 動物は体が大きくなるほど、体温を下げることの重要性が増す。大型のティラノサウルス科は獲物を追うために長い脚を獲得した。羽毛は、狩りをした後に体を冷やす妨げになったのではないかと、パーソンズ氏らは考えている。

「ゾウ、サイ、カバ、アフリカスイギュウなど、現代の大型陸生哺乳類を思い浮かべてみてください。全く体毛がないわけではありませんが、その量はとても少ないはずです」とパーソンズ氏は話す。

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