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錦織のグランドスラム制覇は「遠くない」 専門家がマレー戦から見出した光明とは

6/9(金) 20:13配信

THE ANSWER

0-7で落とした第3セットのタイブレークで「現在の『差』が見えてしまった」

 男子テニスの世界ランキング9位・錦織圭(日清食品)は、全仏オープン準々決勝で同1位アンディ・マレー(英国)と対戦。第1セットに圧倒的な攻撃を展開して6-2と先取しながら、その後は1-6、6-7、1-6と3セット連続で落とし、逆転負けを喫した。

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 昨年9月の全米オープン準々決勝では、マレーを相手にフルセットにもつれ込む死闘の末に勝利。続く11月のATPワールドツアー・ファイナルも敗れたとはいえ、大会史上最長となる激闘を演じていた。

 直近2試合の健闘で錦織は世界NO1との差を縮めていたかに思われた矢先、突き付けられた敗戦が意味するものは――。世界1位との差は逆に開き、悲願のグランドスラム初優勝も遠ざかってしまったのだろうか。

「昨年の全米オープンはスコアや勝敗を差し引いても、錦織選手がラリーでプレッシャーをかけ続けていました。ツアーファイナルは拮抗した名勝負でしたが、逆にマレー選手に要所要所で抑えられていた印象があります。そして今回、錦織選手の立ち上がりは良かったものの、0-7で落とした第3セットのタイブレークで現在の『差』が見えてしまったのかもしれません」

 こう分析するのは、プロテニス選手の綿貫敬介だ。

 第1セットは、攻撃が冴え渡った錦織に対し、マレーは強風の影響でトスが定まらず、タイム・バイオレーション(遅延行為)で警告を受けるなど、苦しんでいた。しかし、デュースの末にサービスエースで錦織のブレークを阻むと、ショットの精度が高まり、一気に逆襲モードのスイッチが入った。

「単発的に脅威を与えるプレーはあったが」…完璧な準備ができていなかった

「試合を通してみると、マレー選手がコントロールしていて、タイブレークの場面でも平常運転でした。選択肢的にも余裕を持ちながらプレーしているように見えました」

 一方で、錦織には試合を通してのゲームコントロールに課題があったという。

「ストロークでのショットの勢い、強引な展開でショートポイント(サービスからなるべく早くポイントを奪う)など、単発的に脅威を与えるプレーもありましたが、タイブレークではマレー選手とは対照的にクライマックスのような鬼気迫る雰囲気がありました。戦術やポイントパターンの良さなどで、1試合を通じたダメージをマレー選手に与えることはできていなかった印象です」

 今回の全仏オープンで、悲願のグランドスラム優勝を果たすことはできなかった。マレーに実力差を見せつけられる格好となったが、四大大会制覇への距離は遠ざかってしまったのだろうか。

「『グランドスラム優勝まで遠かった』と見る人もいるかもしれません。ただ、マレー選手との準々決勝で見えた差を考えると、矛盾しているように思われるかもしれませんが、錦織選手はそこまで遠くない印象を受けます」

 綿貫は後退の可能性について首を横に振った。その原因について、故障による準備不足を挙げる。

「錦織選手は今年に入ってから怪我が続き、手首の痛みもありました。5月のイタリア国際が全仏の前哨戦のはずでしたが、3回戦で敗退したため、試合勘の欠如からジュネーブ・オープンにエントリーしました。2回戦、3回戦と勝利して試合勘に関する自信を手にできた半面、2試合フルセットを戦ったことで、手首に負担をかけることになりました。体力面で見ても、マレー戦の最後はスタミナ切れになってしまった。怪我が主な理由とはいえ、今は後手後手に回っています。グランドスラム優勝を見据えた完璧な準備ができれば、状況は一気に好転する期待があります」

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最終更新:6/9(金) 20:29
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