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もやしの売り上げが増加、日本経済の再度のデフレ化を示唆か

6/10(土) 17:00配信

マネーポストWEB

「トランプラリー」が一段落した後の株式市場をカリスマファンドマネージャーはどう読み解くのか。レオス・キャピタルワークス代表取締役社長で「ひふみ投信」運用責任者の藤野英人氏が解説する。

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 トランプ米大統領誕生で活況を見せた「トランプラリー」はすでに終わりを迎え、方向感の読みにくい相場が続いている。

 トランプ氏が公約の目玉に掲げたオバマケア(医療保険制度改革)の見直しも進まず、大型減税も法人税引き下げの方針などは打ち出したものの、マーケットは冷めた反応を見せている。

 目玉政策がことごとく行き詰まり、その実行力に懐疑的な見方が広がって、求心力も一気に低下。いまや「トランプリスク」が懸念される段階にある。

 それによって日経平均株価も積極的に上値を追うような勢いは感じられず、かといって日銀の買い支えなどもあるため、大きく下がるわけでもない。

 こうした明確なトレンドが見えにくい不透明な相場では、やはり自力で成長できる優良株に注目するほかないだろう。

 何より冷静に俯瞰すれば、米国経済自体は引き続き好調だ。住宅価格は上昇し、消費も堅調な推移を見せている。企業業績もグーグルの持ち株会社アルファベット、アップルやフェイスブックといった米IT企業を中心に好調で、それに伴って昨年来続いてきた半導体などの旺盛な需要が再び脚光を集めている。

 日本企業もその恩恵を受け、輸出・ハイテク関連は好調。だが、そのなかでも不安材料は少なくない。例えば自動車だ。

 米国の自動車ローン残高が警戒水域といえるほど積み上がっており、少なくともここからの買い余力は考えにくい。そうした状況が日本の自動車輸出にも影響を及ぼす可能性があり、部品メーカーも含めた自動車関連銘柄は日米ともに触りにくいテーマと考えた方がよさそうだ。

 日本国内に目を向ければ、消費のもたつきも気がかりな材料といえる。

 人手不足で雇用はよくなっていても、消費者物価指数の伸び率は鈍化しており、雇用増が消費にはつながっていない。足元では不景気時に売れ行きが高まるといわれる、もやしの売り上げも増加している。

 また、ファミリーレストランなどで肉系メニューの売り上げが不調となるなど、節約志向の高まりが窺える。

 まして昨年1年間でマネーの流通量は90兆円から100兆円に増え、そのうち43兆円はタンス預金とされる。消費に回さずに貯め込む傾向が強まっており、それらは再度のデフレ化を示唆しているのかもしれない。

 もちろん日米ともに足元の景気は回復途上であり、腰折れを心配するほどではないが、そのように目を凝らせば不安材料もある、ということは頭に入れておいた方がよいだろう。

※マネーポスト2017年夏号

最終更新:6/10(土) 17:00
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