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子どもの覚醒剤使用は「親の責任」なのか

6/10(土) 6:01配信

オトナンサー

 著名な俳優のご子息が覚醒剤で逮捕されたことを受けて、ワイドショーなどで親の責任に関する議論がなされています。

親は自らの責任を痛感している

「30歳になったら大人。親に責任はない」という論調が多いような気がしますが、過去にも同じく「立派な大人」の不祥事により、親である大物司会者や有名女優がその後、活動を制限される事例がありました。人前に立つ仕事である以上、責任の有無はともかくとしてその影響は免れないのかもしれません。

 ファイナンシャルプランナー(FP)という仕事は「何でも屋」のようなところがあり、多くの方からさまざまなご相談を頂くのですが、このような子どもの不祥事に関するものがまれにあります。「実は…」と重い口を開かれると、お子さんが何かしらの事件を起こし、ご両親がその対応に苦慮しているのです。

 実務上は必要に応じて弁護士や医師などを紹介しますが、こうした時、「親の責任」は周りがとやかく言うことではなく、親本人が一番痛感しています。当然ながらその苦悩は相当なもので、子どもへの怒りや失望とともに「自分の教育が悪かった」と自らを責めることになります。

覚醒剤と学校教育の顕著な関係性

 それでは、この「教育」とは一体何なのでしょうか。

 人によって意見は異なると思いますが、大枠で言えば「家庭における教育」「学校教育」の2つに分かれるでしょう。前者は倫理観や金銭感覚など「人として大事なこと」、後者は「勉強」ということになります。今回の覚醒剤に関しては、家庭での倫理教育が重要であることは論を待ちませんが、実は学校教育とも顕著な関係性があるのです。

 下記は、矯正協会付属中央研究所が発表した「覚せい剤事犯受刑者の実態に関する研究」というレポートから抜粋した、覚醒剤絡みで受刑者となった人の最終学歴です。

        男性  女性
中学卒業    74.9% 75.2%
高校卒業    18.8% 15.4%
高専卒業    1.2%  1.6%
専門学校卒業  2.0%  3.4%
大学卒業以上  2.2%  0.6%
その他     0.8%  3.4%

 あくまでも実刑となった方のデータであり、多くの場合、執行猶予がつく初犯ではなく2回目以降だと思われますが、最終学歴として「中学卒業」が男女ともに約75%を占めています。続いて、高校卒業が男性18.8%、女性15.4%です。

 本統計の平均年齢は38.5歳。38歳の人が11歳だった、今から27年前の1990年から、高校進学率は常に95%前後で推移しています。つまり、最終学歴が中学卒業という人は、その当時から現在まで5%前後。高校中退者も最終学歴は中学卒業ですが、彼らは高校進学者の2~3%程度であるため、中学卒業(高校中退含む)は全体の7%前後と考えられます。

 わずか7%という少ない集団に、覚醒剤が絡んだ受刑者の75%が集中していることは、率直に驚きです。

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最終更新:6/10(土) 6:13
オトナンサー

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