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農村の2,300万人を一気にオンラインに。インドが挑む「ネット革命」

6/10(土) 12:30配信

WIRED.jp

インド南部のテランガーナ州政府は、「テランガーナファイバー」という名のプロジェクトを進めている。その目的は、水道管と光ファイバーケーブルを同時敷設することによって、農村に住む2,300万人をオンラインにすることだ。ネット接続のなかった地域にインターネットがもたらされることで、いったい何が起きるのか。

インターネット環境がない40億人のためのPC「Endless」

インド南部・テランガーナ州の村、コジチェラとペンジャーラ。このふたつの村を結ぶ道路に沿って、1本の溝が走っている。深さ1.5m、幅75cmのこの溝には、青と黒の2つのパイプが埋まっている。大きな黒いパイプの中身は新鮮な水。そして、小さな青いパイプの中身は光ファイバー広帯域ケーブルだ。

2014年にアーンドラ・プラデーシュ州から分離したテランガーナ州の政府は、インドでは前例のないある取り組みを行っている。彼らはこの地域のすべての農村世帯に住む2,300万人全員に、広帯域インターネットをもたらそうとしているのだ。

「テランガーナファイバー」計画

インターネットにアクセスできない人の人口は全世界で40億人。その4分の1がインドに住んでいる。そして、米国の多くのテック企業がこの情報格差を熱心に埋めようとしている。テランガーナ州が独立したのと同じ2014年、フェイスブックの「Internet.org」は、プロジェクトのターゲットにインドを選んだ。いまでは「Free Basics」と呼ばれているこのサーヴィスは、発展途上国の農村地域に無料の制限付きインターネットサーヴィスを提供している。

しかし、インド国民はプラットフォームにバイアスがかかっているとして、Free Basicsを拒絶した。利用できるオンラインサーヴィスに制限があり、フェイスブックやその他数社のネットワークに特権を与えることによって、ネットの中立性を侵害しているからだ。インド電気通信規制庁は、昨年前半にこのInternet.orgをブロックした。オンラインの未来は、フェイスブックが提供しているものよりも明るいと、インドは確信していたのだ。

そしていま、テランガーナ州がそんな未来を実現させようとしている。

テランガーナ州の新政府はその設立当初から、人々の生活を直ちに、かつ顕著に向上させるために何かしたいと考えていた。チャンドラシェックハー・ラオ州首相は、水道水は絶対に不可欠だと確信していた。同州内の数千の農村に水道を引くには、パイプの敷設が必要だ。そして、情報技術大臣であり同州首相の息子でもあるK・T・ラマ・ラオは、これと同時に光ファイバーの広帯域ケーブルも敷設することを、同政府に納得させた。

彼らはこのプロジェクトを「テランガーナファイバー」と名付けた。

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最終更新:6/10(土) 12:30
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