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中国に3億5000万平米の防空壕、夕涼みや映写会にも使用

6/11(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 この5年間で中国の都市部における防空壕建設が3億5000万平方m(350平方km)にも達していたことが分かった。北京や上海など87都市の1人平均の防空壕面積は約1平方mだという。建設費総額は2700億元(約4兆3200億円)にも上っている。中国人民解放軍総参謀部傘下の「中国国防報」(6月5日付)が1面トップで報じた。

 これについて、ネット上では「防空壕なんて造って、どこと戦争をする気。アメリカやロシア、あるいは最近は北朝鮮もやばいよね」「いよいよ核戦争間近だね」などとの声が寄せられている。

 中国の都市化率は今年1月現在で57.35%で、都市部ではいまも防空壕が建設されている。これは、1976年1月に死去した周恩来首相が「都市部における国民1人当たりの防空壕の割り当て面積は1平方mにしなければならない」という目標を明示していたからで、周恩来の死後、41年を経て、ようやく周恩来の遺言が実現したことになる。

 防空壕が最も充実しているのは、山東省の港町である威海市で、軍港でもあることから、近年、工事が急速に進められており、この5年間で150万平方mにも達したという。

 この防空壕には非常時に市民が敵の攻撃を逃れる避難所はもちろんだが、そのほかにも軍部隊の待機場所や医療施設、兵器格納庫、食糧備蓄倉庫なども備えられている。いわば一大地下要塞となっているという。同市は朝鮮半島に近いことから、可能性として最も高いのは「朝鮮半島有事」に備えるためとみられている。

 また、同市とは違って、小さな町でも防空壕は整備されている。上海に近い浙江省温州市の川沿いに位置する龍港町には2013年以来、12か所の防空壕が建設され、住民1人当たり5平方mの面積となるという。

 防空壕が整備されるのに伴い、防空訓練も活発になっており、5年間で7100万人が参加。日中戦争時代、旧日本軍から激しい攻撃を受けた南京市では、戦闘の規模などによって、数種類の空襲警報が用意されている。2011年の調査では空襲警報の種類を正確に答えられたのは全体の4割だったが、いまや98%に達したほどだ。

 地域によっては、防空壕は夏の夕涼みの場所になっている。夏の暑さが厳しいことで知られる四川省の各都市や直轄市の重慶市では、防空壕で映画の映写会などの催しが開かれたり、食べ物の屋台が出たりと、市民サービスに使われている。また、北京では整備が進んでいる地下鉄も有事には防空壕に早変わりするといわれる。このため、ネット上では「習近平指導部は戦争に向けて着々と準備を進めているようだ」との書き込みがみられている。