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『やすらぎの郷』で話題の“終の棲家”の現実は? 高齢者施設の種類の多さに驚き、困惑

6/11(日) 9:00配信

週刊女性PRIME

 4月からスタートした昼ドラ『やすらぎの郷』(脚本・倉本聰、主演・石坂浩二、テレビ朝日系)が話題。同じ時間帯の番組の中でトップの視聴率を叩き出すなど、シニア層のハートをがっちりつかんでいる。

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 舞台は、テレビ業界に貢献した脚本家、映画監督、俳優、歌手らだけが無料で入れる老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」。ここがとてつもなく豪華なのだ。海を望む広大な敷地は、東京ドーム約30個分。居室はマンションタイプのほか、コテージタイプやヴィラタイプも。食堂やスポーツジムは言わずもがな、温泉大浴場に遊技場、映写室、バーまで! 元CAのコンシェルジュ(常盤貴子)が常駐し、介護や医療のケアも24時間対応。石坂演じる菊村栄が“まさに至れり尽くせり、夢のような施設”と絶賛するのも、そりゃ当然。

 でも、こんな施設に入るには、一体いくらかかるの? 介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんによれば、

「有料老人ホームの入居費用はピンキリです。立地、施設のグレード、医療や介護の対応状況、入居時の年齢などによって変わってきます。都内の超高級有料老人ホームには、入居一時金3億円、月額利用料が20万円以上なんてところもあります」

 とてもじゃないけど庶民には無理! ドラマほど豪華じゃなくていいから、施設で手厚い介護を受けて暮らすなんて夢物語? 

「そんなこともありません。高齢者向けの施設にはいろいろな種類があります。例えば、公的な介護保険制度を利用して入居する特別養護老人ホーム(特養)なら、所得によっては軽減制度を利用でき、月額5万円程度からなので、国民年金だけで暮らしている人でも大丈夫です」(太田さん)

 やはり、頼りになるのは介護保険のよう。

介護保険は負担増が止まらない

 介護保険の現状に、介護福祉ジャーナリストの田中元さんは渋い顔だ。

「介護保険制度は、相次ぐ改正で内容が複雑になり、国民の安心から離れたものになりつつあります」

 なかでも気になるのが、負担増の流れ。’00年の制度開始時、自己負担割合は“誰でも1割”だったが、’15年の法改正で、原則として年金収入280万円以上の人は2割にアップ。さらに、来年8月から、現役世代並みの所得がある人を3割に引き上げる法改正も行われた。

 1か月あたりの高額介護サービス費の自己負担限度額も、今年8月には一般世帯で3万7200円から4万4400円にアップする。

「負担増への不安から、高齢者が生活費を切り詰めたり、外出を控えたり、通院や服薬を減らそうとしているのが心配です。生活の質が落ちて体調を崩して、かえって医療や介護が必要になりかねません」(田中さん)

 8年後の’25年には、国民の3割が65歳以上になる超高齢化社会が到来。社会保障費を抑制したい政府は、将来的にさらなる負担増を課すことが予想される。

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最終更新:6/11(日) 9:00
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