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“日本フットサル界の父”がベトナムへ。そしてベトナム代表監督が日本へ。旧知のライバルに訪れた数奇な因縁

6/11(日) 10:20配信

フットボールチャンネル

フットサルベトナム代表監督に、ミゲル・ロドリゴ氏が就任した。ミゲル氏はAFCフットサル選手権で連覇を遂げ、“日本フットサル界の父”と呼ばれた名将だ。一方で、フットサル日本代表は前ベトナム代表監督のブルーノ・ガルシア氏を招聘している。ブルーノ監督は、ベトナムを率いて“ミゲル・ジャパン”のW杯出場を阻んだ人物でもある。奇しくも両代表監督が入れ替わったことには、因縁めいたものを感じずにはいられない。(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

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●元フットサル日本代表監督のミゲル氏、ベトナム代表監督に就任

 ベトナムサッカー連盟(VFF)は6月初め、ブルーノ・ガルシア監督(現フットサル日本代表監督)の退任後、長く空席になっていたフットサルベトナム代表監督のポストに、前フットサルタイ代表監督のミゲル・ロドリゴ氏が就任することを明らかにした。ミゲル氏は2009年から2015年まで日本代表を率いて2度のアジア王者に導くなど、“日本フットサル界の父”と呼ばれた名将だ。

 ミゲル氏はスペイン・バレンシア出身の46歳。VFFによると、契約期間は2017年から2020年までの3年間。前任者のブルーノ監督と同様、ベトナム代表とタイソンナムFCの監督を兼任するという。

 タイソンナムFCは、ベトナムフットサル選手権優勝最多5回、ベトナムフットサルカップ優勝1回を数える国内最強クラブで、代表メンバーはスタッフも選手も大半が同クラブ所属。Fリーグではお馴染みの稲葉洸太郎(フウガドールすみだ)がかつてレンタル移籍したことでも知られる。

 ミゲル氏とブルーノ氏はともにスペイン人で、アジアでの指導歴も長い旧知の間柄。AFC主催大会では、良きライバルとして鎬を削ってきた。“ミゲル・ジャパン”はこれまでイランの独壇場だったAFCフットサル選手権で、2012年と2014年に連覇を達成。2012年のFIFAフットサルワールドカップでは、FW三浦知良(横浜FC)の招集で話題を集め、初のベスト16入りという結果も残した。

●“ミゲル・ジャパン”のW杯出場を阻んだ“ブルーノ・ベトナム”

 一方、ブルーノ監督が率いるベトナムの躍進も目覚ましいものだった。2016年のAFCフットサル選手権では、準々決勝でミゲル監督率いる日本代表をPK戦の末に下してベスト4に進出し、ワールドカップ出場権を獲得。ワールドカップでは、初戦でグアテマラに歴史的勝利を収めた。

 その後、パラグアイとイタリアには敗れたものの、ワイルドカードでグループステージを突破。ベトナムは初出場ながらベスト16の快挙を達成し、大会フェアプレー賞も受賞した。

 結果的に“ミゲル・ジャパン”のアジア3連覇とワールドカップ連続出場を阻むきかっけを作ったのが“ブルーノ・ベトナム”だったのは間違いない。この敗戦の後、ミゲル監督は7年間過ごした日本の地をあとにすることになったのだ。

 奇しくも今回、当時の日本とベトナムの代表監督が入れ替わったことになり、何か因縁めいたものを感じずにはいられない。

 フットサル新興国ベトナムが目指すのは、2大会連続のワールドカップ出場。ベトナムにとって、スペイン、イタリア、ロシアなど欧州のクラブ監督を歴任し、日本代表やタイ代表を率いた経験もあるミゲル監督の就任は、これ以上ないといってもいい補強となる。

 新生“ミゲル・ベトナム”の最初の仕事は、8月にマレーシアで開催される第29回東南アジア競技大会(SEA Games 2017)。「東南アジアのオリンピック」とも呼ばれる同大会で、ベトナムは史上初の金メダル獲得を狙う。

(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

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