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毎月分配型ファンド 高水準の分配金引き下げる動き顕著

6/12(月) 17:00配信

マネーポストWEB

 毎月分配型投資信託が分配金を引き下げる動きが出ている。どのような背景があるのか、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が解説する。

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 3月後半からの欧州の政治リスクや北朝鮮を巡る地政学リスクの高まりで、4月の株式市場は世界的に軟調な展開となった。それにもかかわらず、国内の投資信託市場には順調に資金が流入した。

 2017年1月まで3か月連続の資金流出となったが、2月3120億円、3月6165億円、4月2394億円と純増が続いている。

 昨年の米大統領選挙終了後からスタートした、いわゆる“トランプ相場”で得た利益が、利益確定売りで市場からいったん流出した後、再び流入に転じたと考えられる。個人投資家の投資意欲は衰えていない。

 ただし、問題もある。毎月分配型ファンドの動向だ。昨年より、高水準の分配金を出していたファンドが、分配金を引き下げる動きが顕著となっている。

 今年に入ってからは、海外の不動産投資信託(リート)に投資する毎月分配型が相次いで引き下げをおこない、月100円を超えるようなものは、いよいよ海外のオーストラリアやブラジルといった資源国の株式に投資するものに限られてきた。

 そのため、分配金が引き下げられたものから、乗り換える動きが目立っている。

 しかし、100円を超える分配金を出しているファンドも、早晩、引き下げざるを得ないだろう。そうしたファンドは、運用して得られた収益だけでなく、投資家が投じた資金を分配金として出しているファンドがほとんどだからだ(投資家の資金が原資となっているものを「特別分配金」という)。

 特別分配金を出し続けた結果、投資信託の価格である基準価額が3000円台、2000円台となっている毎月分配型もある。これは正常な運用とは言い難い。

 分配金が欲しいという投資家は一定数存在する。だが、現在の世界的な低金利下では、持続可能な分配金はおおよそ30円、40円といった水準と思われる。

 30円だったとしても、基準価額1万円のファンドであれば年間3.6%の利回りに相当する。分配金の高さのみに着目して投資するようなことは避けるべきだろう。

※マネーポスト2017年夏号

最終更新:6/12(月) 17:00
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