ここから本文です

食事中にご飯の写真を撮る人の気持ちが分かりません

6/12(月) 11:00配信

文春オンライン

Q ご飯の写真を撮る人の気持ちがわかりません

 プライベートな席でご飯の写真を撮る人(とくに男性)の心理は何なのでしょうか。「早く食べてくれ。」と思う私は女として可愛くないのでしょうか。(32歳・女性)

A ご飯を撮っている時間は自分の欲求を優先している時です。

 ご飯の写真を撮る人、とても多いですね。これは間違いなくインスタグラムをはじめとしたSNSの影響が大きいと思います。なんて、したり顔で言ってみましたが、僕自身は驚異的な構図センスの欠如からインスタグラムにほとんど投稿しませんし、そもそも写真を撮る習慣がないので、プライベートな席でご飯の写真を撮る人に共感できる感覚は持ち合わせていません。なので、それをする方の心理を客観的に想像していきたいと思います。

 まず、SNS投稿用に撮影する場合。SNSというのは面白い写真や記事をアップすれば「いいね」の数という分かりやすい形でその成果が確認できます。つまり、「いいね」が報酬化しているということだと思います。生き物は、報酬に向かって行動する時、程度の差はありますが、ほとんどの場合において盲目的になります。相談者さまの想定している人がどれくらいの時間をかけて撮影しているかは分かりませんが、少なくとも、同席者が「早く食べてくれ」と思っているかもしれない、という気遣いがおろそかになってしまう程度には盲目的になっているのだと思います。

 報酬というのは、人に積極的な行動をさせるエネルギーとなる一方で、盲目的、利己的になってしまう側面もあるということですね。

 次に、SNS投稿目的ではない場合。これは恐らく仕事か趣味ではないでしょうか。仕事でブログを書いているとか、ブツ撮りのカメラマンを目指しているとか、事情があれば、じっくりと撮影していることがあるかもしれません。または、ご飯の写真を撮ることが単純に好きで、趣味として撮影せずにはいられないという人もいるでしょう。これらの場合も、仕事的な報酬、または自己満足という形での報酬に向かって行動していると言えます。

 総じて言うと、ご飯の写真を撮っている時は、一緒にいる相談者さまのことや他の色々なことよりも、自分のやりたいことを優先している時間ということです。でも、ある程度の範囲で自分の欲求を満たしていくことは悪いことではないと個人的には思いますし、「ちょっと写真撮るね」など少しだけでも気遣いがあれば大きな問題にはならないのではないかとも思います。

 では、相談者さまが「早く食べてくれ」と思われるのはどのような理由からなのでしょうか。

 もしも、「とにかく早く食べたい、お腹すいてるし、出てきてすぐの方が美味しいもの!」という食いしん坊的な理由があるとしたら、これまた個人的にですが、可愛いなと思います。そして、とても共感できます。そうではなくて、「ご飯の写真を撮ることに生理的な嫌悪感を感じる」とか、「プライベートな席でご飯の写真は撮るべきではない」という理念をお持ちだとしても、それ自体が可愛くないとか、よろしくない、とかいうものではないと思います。

 ただ、もしもそれを相手に伝えずにムスッとしてしまうようなことがあるならば、「早く食べようよ」くらいは言ってあげてもいいのではないでしょうか。また、「どうして写真を撮るの?」と興味を持って聞いてみたりすると、食事中の話題にもなるような気もします。趣向が少し異なる人と言葉を交わして、理解し合う過程こそが「対話」の醍醐味だったりするものです。

 とにもかくにも、食事というのは生き物にとって至福の時間です。中でも人間は、食事中に襲われたりすることなく安心してその時間を楽しめるラッキーな生き物です。それなのに別のストレスを抱えてしまうというのは、些か勿体ないような気がします。お互い少しずつ工夫することで、なるべくストレスを小さくして、楽しい食事の時間を過ごしたいものですね。

星野 概念

最終更新:6/12(月) 13:09
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

世の中を驚かせるスクープから、
毎日の仕事や生活に役立つ話題まで、
"文春"発のニュースサイトです。