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Uber、トラック輸送にも変革をもたらすか

6/12(月) 17:30配信

WIRED.jp

Uberが、貨物輸送トラックの配車サーヴィス「Uber Freight」を発表した。アマゾンも同様のシステムを開発中と報道されており、競争が進むと見られる。

【グーグルはなぜUberを訴えたのか?】

運送業界の支配を目論むUberは、たくさんの人が空飛ぶ車[日本語版記事]や自動運転タクシーで移動するようになる日を夢見ている。だが、ロボット革命だけではこの計画は実現できない。何かと評判の悪い[日本語版記事]、赤字だが時価総額700億ドルの同社は2017年5月18日(米国時間)、新しい貨物輸送トラックの配車サーヴィス「Uber Freight」(ウーバー・フレイト)を発表した。

同サーヴィスは、要するにUberの貨物版だ。車で移動したい人とドライヴァーを結びつけるUberアプリと同様に、トラックで運びたい品物とトラック運転手とを結びつける。2016年末にテキサス州で密かにスタートしていたという。

貨物輸送トラックは、米国における物資輸送の70パーセントに関わる業界だ。今回のサーヴィスでUberは、この業界に参入することになる。Uberの幹部クラスのエンジニアのひとり、カーティス・チェンバーズは「まるで魔法のようなUber体験を実現します」と話す。そしてもちろん、魔法のような売上げをUberにもたらすことにもなるだろう。

数回の画面タップで配送の仕事が決まる

Uber Freightアプリを使うトラック運転者は、目的地や配送期限、必要な装備(たとえば冷蔵トレーラーなど)ごとに分類された荷物を閲覧できる。自分の希望に合うものを見つけたら、スマートフォンの画面を数回タップするだけで仕事が決まる。

Uberは、ドライヴァーへの支払いは配達から1週間程度で行うと約束しているので、顧客が渋々現金を払うのを待っている必要はない。ニワトリであれTVであれ、トラック運転者は自分が何を運んでいるかをきちんと把握できる。トラック運転者には、商用運転免許証を持っていること、違反歴がないこと、必要な保険に加入していること、連邦政府の規制に従うことが求められる。

Uber Freightは、Uberの中核である配車サーヴィスと同様、仲介者(この場合だと、トラック運転者と積み荷をマッチさせる仲介業者)を不要にすると考えられている。Uberのデータ部門を率いるケヴィン・ノヴァックは、「ロジスティックスに関しては、人間よりコンピューターのほうが優れていると、われわれは基本的に考えています」と言う。

ノヴァックは、Uberのサージプライシング(需給状態に応じて価格を変えるシステム)をつくりだした張本人でもある。Uber Freightでも、(たとえば母の日の1週間前は花の輸送費が上がるなど)市場状況に応じて価格が決まるシステムだ。経験を重ねデータが集まるにつれ、プロセスが自動化され精度も上がるとUberは期待している。

現在の仲介会社には無駄が多い。ビジネス向けに出荷・配送の手配を支援するFlexport[日本語版記事]のライアン・ピーターセン最高経営責任者(CEO)は、「トラック仲介業者の仕事は人に頼る部分が多く、荷主と運送会社の両方に電話をかけてスケジュール調整をすることで稼いでいます。その労力の一部をソフトウェアに切り替えられれば、無駄なコストが減り、さらにいくつかの荷を配送できるようになるでしょう」と述べる。

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最終更新:6/12(月) 17:30
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