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【セルジオ越後】U-20W杯で大きな宿題を残した日本。いまA代表に一番近いと考える選手は…

6/12(月) 6:00配信

SOCCER DIGEST Web

ベネズエラ戦では疲労の色が見えた。

 U-20ワールドカップの決勝戦が6月11日に行なわれ、イングランドが初優勝を飾った。一方、内山監督率いるU-20日本代表は、決勝トーナメント1回戦で延長戦の末に、準優勝のベネズエラに0-1で敗れた。

日本サッカーを彩る美女サポーター

 日本はいくつかチャンスを作るなど奮闘はしたが、前の試合から中2日で臨んだ影響か、堂安ら中心選手に疲労の色が見えた。実際、延長戦では足が止まった選手も多かったよね。途中出場で流れを変える人材がいなかったのも痛かった。球際での強さ、ゴール前での落ち着きも含め、ベネズエラに劣っていたよ。

 
 今大会を振り返ると、日本は前からプレスをかけられると苦戦した。特にウルグアイ、ベネズエラ戦では、焦りが見られ、プレーが雑になりがちだった。ドリブルが持ち味の堂安や久保も、身体をぶつけられると、かわし切れないシーンが多かったよ。
 
 逆にイタリアのようにゴール前にブロックを敷かれた場合は、余裕でパスを回せた。でも、見方を変えればボールを持たされていただけ。狭いエリアもしくは相手に囲まれた状況でボールをキープし、的確にパスをつなぐ技術が欠けていた。今回突きつけられた課題は日本にとって永遠のテーマである。
 
 また、2-2のドローだったイタリアとの試合について詳しく言及すれば、前半早々に2点を奪われながら、堂安の2ゴールで同点に追いついたところまでは良かった。ただ、2-2の引き分けでも、グループ3位で決勝トーナメントに進める日本は、そこからあまり攻めなかった。
 
 イタリアも2位の座を死守するためにディフェンスを固めた。あそこでもう一押しすれば、日本は勝っていたと思うよ。だからこそ悔しいんだ。結果論だけど、そうすれば、ベネズエラとの対戦は避けられた。まあ、2位通過だと優勝候補のフランスとの対戦だったたわけだが……。
 

ひとりだけオーバーエイジ選手のような振る舞いを見せていた。

 ワールドカップのような世界大会では、しぶとく勝ち上がり、ひとつでも多くの試合を経験することが重要になる。その考え方は間違っていない。でも、引き分け狙いで、勝利にこだわらない姿勢はいかがなものか。

 もし彼らが、2-2のドローで、3位抜けに満足しているのなら、この先の成長は難しいと感じるよ。今後、“勝たなくてはいけない試合”を迎えた時に、イタリア戦のような弱気なメンタリティは足枷になるはずだ。
 
 一方、個々のパフォーマンスに目を移せば、CB中山のプレーが光ったね。ボールを奪えるし、左足での正確なフィードでゲームも作れる。それにどんな状況でも非常に落ち着いていた。相手のプレスを上手くいなし、ひとりだけオーバーエイジ選手のような振る舞いをしていたよ。A代表のCB争いは、6月のシリア戦、イラク戦では、森重がメンバー外になるなど混沌としているだけに、今後は彼にも十分チャンスがあるんじゃないかな。
 
 翻って、注目された久保は、南アフリカとの大会初戦でまずまずのプレーを見せたが、ウルグアイ戦やベネズエラ戦では、厳しいマークに苦しめられた。15歳で身体ができ上がっていないこともあり、バランスを崩されるシーンが目立った。正直、期待したほどの輝きは放てなかったよ。
 
 もっとも、彼に関してはメディアが持ち上げすぎたというエクスキューズもある。テレビはベンチに座る久保を何度も映し、ゴールを奪ったわけじゃないのに、新聞や雑誌も大きく取り上げた。メンタル面も未熟なはずだから、感情のコントロールは難しかったんじゃないかな。その点はメディアも反省するべきだよ。ただ、彼にはこの大会を良い経験にし、さらに逞しくなってもらいたいね。
 
 久保にしても、他のメンバーにしても今後の目標はクラブでレギュラーを掴むことだ。「よくやった」なんて言葉はなんの慰めにもならないよ。東京五輪ではこの世代がチームの中心を担うわけだから、Jリーグで奮起してもらいたい。
 

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最終更新:6/12(月) 7:32
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