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一年ぶりに帰国したライターが驚いた。日本のWi-Fi環境、結構改善してる!?

6/12(月) 16:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 タイから日本に訪れる観光客は、札幌の雪祭りを皮切りに2013年に急激に日本旅行がブームとなったことで、急速に増加。さらに同年7月に日本政府もタイ人の短期滞在にはビザなし入国を可能となったことも拍車をかけ、タイでは今も日本旅行のブームが続いている。

 和食や日本の自然、伝統文化から、電車などの交通機関の時間の正確さと便利さなど概ね好評だが、日本旅行で不便なこともあるという。筆者がタイ在住ということもあって、よくタイ人から言われていたのが、「日本は無料のWi-Fiが少なく、スマートフォンが使えなくてかなり不便」ということだ。

 意外かもしれないが、東南アジア各国は特にWi-Fiが異様なまでに発達している。法的なゆるさがあるかもしれないが、飲食店でも商業施設でも無料のWi-Fiが常時利用可能になっている。小さな飲食店やホテルなどでも家庭用のWi-Fi機器を設置し、客に使わせている。パスワードを設定する店もあるが、めったに変更はしない。筆者はベトナムの首都ハノイで入ったバーでパスワードを訊こうとWi-Fiを立ち上げたら自動で繋がった。2年前に来たことがあったのを忘れており、そのときのパスワードがメモリに残っていたのだ。

 確かに、これだけ便利な環境から来ると、日本のWi-Fiの不便さはたまらないだろう。2020年の東京オリンピックまでは確実に外国人が増えると見込まれる中、これはよろしくない事態であると、日本の携帯キャリアを持たない筆者も毎回日本に滞在するたびに感じていた。

 ただ、筆者もつい先日、約1年ぶりに日本に帰国したのだが、意外にもかなりWi-Fi環境が好転しているように思えるようになっていたのだ!

◆公共機関のWi-Fiがだいぶ充実

 以前帰国したときに比べ、無料Wi-Fiを設置する行政や商業施設、鉄道駅が増えてきている。激安ショップなど外国人が多い施設が特にそうだ。東京では23区中18区でなんらかしらの形で無料Wi-Fiを使えるようになり、特に今年3月にサービスを開始した区役所が多い。現在、東京都内で公共の無料Wi-Fiが使えるのは下記になる。

・日本(ジャパンコネクト。事前登録でさらに無料スポットが簡単に利用できるようになる)

http://www.ntt-bp.net/jcfw/ja.html

・東京都(公共施設など)

http://www.wifi-tokyo.jp/ja/index.html

・豊島区

https://www.city.toshima.lg.jp/013/kuse/koho/hodo/h2703/1503121441.html

・新宿区

http://www.city.shinjuku.lg.jp/kanko/Shinjuku_Free_Wi-Fi.html

・台東区

http://www.city.taito.lg.jp/index/kusei/johokasuishin/wifi.html

・千代田区

http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/shisaku/johosesaku/wifi.html

・中野区

http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/163000/d021598.html

・文京区

http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/wi-fi/FreeWi-Fi.html

・品川区

http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000026100/hpg000026060.htm

・大田区

http://www.city.ota.tokyo.jp/kanko/topics/open_otacity-free-wifi.html

・港区

https://www.city.minato.tokyo.jp/jouhokanri/kuse/minatocitywi-fi_01.html

・中央区(銀座)

http://www.ginza.jp/townguide/gfree

・葛飾区

http://www.city.katsushika.lg.jp/tourism/1000064/1010633.html

・墨田区

http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/setsubi_kinou/wifi_spot.html

・世田谷区

http://www.city.setagaya.lg.jp/soudan/1618/1619/d00151500.html

・渋谷区(ただし渋谷区の防災用サイトのみ閲覧可)

https://www.city.shibuya.tokyo.jp/anzen/bosai/ku_sonae/okugai_wifi.html

・江東区

今年9月あるいは10月にサービス開始予定

・北区

中央図書館のみで開放

・荒川区

南千住のサロンで外国人観光客向けに無料Wi-Fiを開放

・練馬区

石神井観光案内所で開放のほか、2017年度予算で無料スポットを4ヶ所開設予定

 無料Wi-Fiとは携帯キャリアに関係なく、Wi-Fi接続できる端末さえあれば接続できるものだ。現在無料開放されているWi-FiのほとんどがNTTの電波のようで、接続操作は概ねどこも同じだ。商業施設の場合は事前登録が必要なものもあるが、基本的には規約に同意し、メールアドレスを登録するだけで使用できる。多いのは1回1~3時間程度に加えて1日3回まで、あるいは回数無制限で接続できるなどがある。JR東日本の場合は歩きスマホを避けるためかプラットホームには電波はなく、構内や改札付近なら使用できた。

 これは日本の携帯キャリアを持たない外国人や国外在住の日本人にはかなりの進歩だ。2016年と今年のたった1年間だけでも劇的な変化を遂げたといえよう。

◆まだまだ改善点はあるが……

 ただ、あくまでも市街地の中心だけになる。裏路地や郊外に行くと途端に圏外になるのは否めない。

 また、Wi-Fiを設置している店舗側の認識もいまひとつわかっていない。

埼玉県草加市のある回転寿司店ではフリーWi-Fiと高らかに宣言したステッカーが店内にあった。そこで筆者は店員に声をかけ、パスワードを教えてほしいと訊ねた。するとほかの店員に訊きに行き、さらにその店員がほかに訊くというたらい回しが始まった。最終的に「すいません、誰もパスワードがわかりません。ネットで当店のホームページに入っていただき、登録していただくと使えるようになると思います」

 と来た。「いや、そのホームページに入れないんですけど」と言うと、そうですか、とだけ苦笑いをして立ち去った。東南アジアなら田舎の喫茶店でさえWi-Fiが繋がるというのに、日本のWi-Fiは都心でなければまだまだこんなものだ。

 とはいえ、有名な観光エリアのWi-Fiが1年でこれだけ進化したとなると、遅くとも2020年までには日本のWi-Fi事情はまったく変わるのだろうと期待できそうである。外国人観光客にも便利になり、リピーターも多数やって来るのではないだろうか。

<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)>

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