ここから本文です

かつての提携先が強敵に?トヨタとテスラがEV開発で火花を散らす日

6/12(月) 8:03配信

clicccar

トヨタ自動車(以下トヨタ)は遡ること7年前の2010年5月、当時のカリフォルニア州知事・シュワルツネッガー氏出席の元、現地でテスラとの業務提携を発表。

【この記事に関する関連する別の画像を見る】



豊田章男社長は記者会見で「ベンチャー企業であるテスラからチャレンジ精神や意思決定のスピード、柔軟性を学び、かつてベンチャー企業として生まれたトヨタの当時の精神を思い起こし、新たな未来に向けチャレンジしていきたい」と述べていました。

その後トヨタはテスラに対し、約55億円を出資して約3%のテスラ株を取得。



一方、テスラはカリフォルニア州にあるトヨタと米GMの旧合弁工場をEV生産拠点として購入、現在も同社の重要な生産拠点になっています。



両社は2010年7月にEV開発をスタートさせ、11月にはLAオートショーにRAV4のボディにテスラのEVシステムを搭載した「RAV4 EV」のコンセプトモデルを出展。2年後の2012年に当初の計画どおり、発売に漕ぎ着けています。



「RAV4 EV」の車両価格は約550万円で、車重は1,829kg、最高出力115kW、最高速度約160km/h、満充電での航続距離は約160kmといったスペックになっていました。

しかしその後、販売が伸び悩み、2014年に生産を終了。テスラからのバッテリー供給が打ち切られ、トヨタは同年テスラの株式を一部売却。

2014年以降、両社が協業することは無く、同年12月にトヨタは水素で発電、モーターで走行するFCV(燃料電池車)「MIRAI」を発売しました。



MIRAIの発売後、イーロン・マスクCEOはFCVは価格が高く、エネルギー効率が悪いとして「フューエルセル(燃料電池)はフール(愚かな)セル」「燃料電池は永遠のミライ技術」などと、言葉を選ばずFCVを激しく攻撃。

日経新聞によると、その後トヨタはテスラの株価上昇に合わせ、2016年内にテスラの1%超に当たる約234万株全てを売却、500億円以上に上る売却益を得た模様です。

一方、カリフォルニア州では「ZEV(Zero Emission Vehicle)」規制強化が待ち受けており、2018年以降、排出ガスを一切出さない電動車(EV、FCV)の販売比率が引き上げられる見通し。

そこでトヨタは2016年12月1日付けで「EV事業企画室」を社内に設置。

駆動用2次バッテリーの性能向上で航続距離問題が解消されつつあり、急速充電器も大幅な充電時間短縮が見込める状況 になってきたことから、PHVやFCVに加えて、インフラ整備の観点で早期普及が見込める「EV」を加え、全方位で対応する方針に打って出ました。

持ち前の開発力と資金力を活かし、「EV」の品揃えを充実させ、フルライン体制で米国の規制強化を乗り切る考えのようで、東京五輪が開催される2020年を目標にEVの市場投入を目指しているようです。



プリウス用のTNGAプラットフォームをベースに、今年1月のCESに出展した「TOYOTA Concept-愛i」をモチーフにしたボディデザインを採用。

満充電で300km以上の航続距離を持つEVを開発している模様で、今秋開催予定の東京モーターショー17への参考出展や、東京五輪のオフィシャルカーへの採用も噂されているようです。

EV開発では両社の企業風土の違いなどから、対立関係となってしまったトヨタとテスラですが、皮肉にも手を差し伸べたEVベンチャー時代のテスラが、トヨタの強力なライバルとして肩を並べる可能性が高く、両社の今後の動向が大いに注目されます。

(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA、TESLA)

最終更新:6/12(月) 8:03
clicccar

記事提供社からのご案内(外部サイト)