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妻の浮気の原因がセックスレス、離婚時の慰謝料請求は可能か?

6/13(火) 19:00配信

マネーポストWEB

 配偶者が不貞を働いたら離婚を考えるのは当たり前だが、その原因が「セックスレス」だった場合、慰謝料を請求できるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 妻の浮気が発覚。私は離婚を決意し、慰謝料も請求しようとしたところ、妻が「2年間もセックスレス状態にした、あなたに責任がある。私を抱かなかったから浮気に走った。逆に、慰謝料を請求する」といってきたのです。事実、妻とは長年性交渉がなく、となると妻の主張のほうが正しいのでしょうか。

【回答】
 法律では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と同居義務と相互扶助義務を課しています。責任としては、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定めています。同棲して助け合って生活し、経済的負担も稼ぎに応じて分担し合おうというのが夫婦ですが、性行為を義務とする規定はありません。

 法は必要以上に家庭に立ち入ることをしません。性的関係を持てと書いていなくても、結婚して夫婦になり、子を生して形成する夫婦と子供の家庭こそが、民法の家族の基本単位ですから、性的関係を持つことを前提としています。

 夫の異常な性行動の故に悩んだ妻の離婚請求を認めた最高裁も「夫婦の性生活が婚姻の基本となるべき重要事項である点」と説示しています。そこで性的不能者が、そのことを隠して結婚した場合には、妻からの離婚を認めるだけでなく、不法行為になるとして慰謝料を命じる事例もあれば、逆に、潔癖症の妻が婚姻以来性交を拒否し続けた事件に、夫からの離婚と慰謝料請求を認めた裁判例もあります。

 ですが、これらの事件はたいていが婚姻当初の出来事です。結婚後時期が経ってから性交渉がなくなったケースではありません。

 なので、奥さんからの要求を拒否し続けたのでなければ、不法行為にならず、慰謝料請求を受ける心配はなく、奥さんの不貞行為が正当化されることはありません。

 ただ、あなたが理由なく性交を拒否し、その結果、夫婦関係がすでに破綻してしまっていたとすれば、奥さんの浮気は不貞行為には当たらず、離婚は認められても慰謝料の請求はできないと思います。

 それこそ破綻の原因を作ったとして、奥さんの言い分通りに慰謝料を請求される可能性がないとはいえないでしょう。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2017年6月23日号

最終更新:6/13(火) 19:54
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