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【よくわかる講座:コンプライアンス・企業倫理】コンプライアンス経営とは

6/13(火) 7:30配信

日本の人事部

(1)コンプライアンスが重視されるようになった背景

●規制緩和から、コンプライアンス重視の流れが始まった

日本でコンプライアンスが重要視されるようになったのは2000年以降のこと。では、なぜ近年になって急速にコンプライアンス重視の流れになったのか、社会的な背景を以下に整理してみた。


【コンプライアンスが重視されるようになった背景】

<規制緩和とセット>
2000年以降、「行政のスリム化」と「規制緩和による経済の活性化」が日本社会の大きな課題だった。そこで、それまで特殊法人などを通じて「官が行ってきた事業」を民営化し、規制を撤廃し民間企業の参入を促すことで、競争原理による市場の活性化を図り、経済成長を実現する政策が進められた。ただ規制緩和を行う際、企業の自由な活動に委ねると国民の生活や社会の安全・公正が保てないおそれがある。そこで、企業に自己責任体制の確立や情報公開を求める動きが強まった。2000年12月に閣議決定された「行政改革大綱」にも、規制改革とセットで「企業に責任ある行動を求める」ことが盛り込まれており、この頃から日本におけるコンプライアンス重視の流れが始まったと思われる。


<法制度の確立>
行政のスリム化が進んだことで、監督官庁が企業を詳細にチェックすることが難しくなった。そこで、企業が法令を遵守するためのコンプライアンス体制を構築し、不正があった場合にも早急に自己申告した方が企業にとって有利になるような「法制度」が導入されることになった。例えば、「公益通報者保護法」「改正独占禁止法」「会社法」などが、代表的なものである。

●公益通報者保護法:
不正を発見し、通報した従業員を保護する法律(2006年施行)で、外部通報も認めているため、コンプライアンス体制を適正に構築・運用していないと、不正の外部通報が行われかねない。企業に対して、コンプライアンスを重視した経営を行う動機付けとなった法律だ。

●改正独占禁止法:
2006年、2010年と2度に渡って改正された独占禁止法では、課徴金の算定率が大幅に引き上げられ、不正を行った企業の受けるダメージが非常に大きくなった。さらに、談合・カルテルに関与した個人への罰則も強化された。一方、違反行為を自ら申告した企業には「課徴金減免制度」を設けた。これによって社内のコンプライアンス体制が有効に機能し、不正行為を早期に把握・申告すれば、行政処分によって受けるダメージを少なくすることができる。

●会社法:
2006年に施行された会社法では、資本金5億円以上、または負債200億円以上の大企業に内部統制システム(コンプライアンス体制を含む)の構築を義務付けている。必要な役割を果たせなかった際には、内部統制システムの構築を怠ったとして、損害賠償を請求される。


<海外の動向>
2000年代に入ってから、海外でも違法行為のあった大企業が次々と姿を消すケースが相次ぎ、欧米を中心に非常に厳しいコンプライアンス経営を求める法制度の整備が進んだ。グローバル展開が進む中、日本企業も海外活動や外国企業との取引が増えるに従って、コンプライアンスに関する世界的な流れに対応する必要性が迫られることになった。

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最終更新:6/13(火) 7:30
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