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「ESPNにできないなら、誰ができるというのか」:メディアにとって苦難の時代

6/13(火) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

ESPNが安泰でないなら、どの企業も安泰でないだろう。

米国時間4月26日、スポーツ専門ケーブルテレビのESPNが、記者や司会者などおよそ100名の従業員を解雇したと報じられた。同社はこのところ、利用料収入の減少とスポーツ放映権の高騰に苦しんでいた。1年あまり前には、制作部門などの従業員およそ300名を解雇している。ESPNのプレジデントを務めるジョン・スキッパー氏は従業員宛ての声明で、同社が直面している現状を認めた上で、次のように語った。

「当社がこの数カ月間行ってきたコンテンツ戦略は、パーソナリティが司会を務める情報番組『スポーツセンター(SportsCenter)』や主要サブブランドが展開するデジタル戦略の融合に重点を置いたものでした。私たちはこうした取り組みをさらに促進し、そのペースを速める必要があります。(中略)そしていつもどおり、効率よく迅速に行動しなければなりません。ダイナミックに変化するには、多様性と価値にさらにフォーカスすることが必要です。そのために私たちは、アンカー、アナリスト、レポーター、ライターなど、実況放送に関わる人材を精査するという困難な仕事に取り組んでいます。目標を達成するには、こうした取り組みが欠かせないのです」。

ESPN凋落の経緯

ESPNは、ニュース制作会社でありスポーツ放送局でもあるというユニークなポジションにいる企業だ。スポーツ放送のために、ESPNは年間19億ドルをNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の試合に支払っている。また、NBA(プロバスケットボール協会)やNCAA(全米大学体育協会)、そしてほかのスポーツリーグやスポーツ団体の試合を放映するために、数十億ドル規模の契約を結んでいることはいうまでもないだろう。

このおかげで、ESPNは長年にわたって大きな収益を上げてきた。ライブスポーツ番組は、人々がテレビで見たいと思っている数少ないコンテンツのひとつだ。メインチャンネルだけでも、ESPNはケーブルテレビと衛星放送の加入者から1人あたり7ドル以上の利用料を徴収している。おかげで、ESPNの番組を配信するテレビ局から、年間80億ドル以上のお金を稼ぐことができるのだ。多くの人がESPNはコードカッティング(ケーブルテレビを解約する動き)に影響されないと考える理由はここにある。

だが、時代は変化している。2013年以降、ESPNは消費者によるケーブルテレビ解約の影響を受けて、1000万人以上の視聴者を失った。当然ながら、この状況は同社の決算に悪影響をもたらしている。ESPNの親会社であるウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)のケーブルテレビ事業は、前四半期(2016年12月31日締め)の営業利益が8億6400万ドルとなり、前年同期比で11%下落した。ディズニーはこの原因をESPNの減収だと説明している。

「この原因は、スポーツを見ない有料テレビ利用者がESPNを解約していることと、ESPNの主な視聴者である若い男性の多くが昔ほどテレビにお金をかけなくなっていることの両方にある」と、テレビ業界のアナリスト、アラン・ウォーク氏はいう。

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