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ハリルJ、イラクが誇る「左右の槍」に警戒せよ。欧州で研いだ牙。両翼の破壊力【識者の眼】

6/13(火) 11:51配信

フットボールチャンネル

 13日、2018年ロシアW杯アジア最終予選イラク戦に臨む日本代表。前回対戦時は山口蛍の劇的ゴールでハリルジャパンがなんとか勝ち点3をもぎ取った相手であり、今回も厳しいゲームになることが予想される。イラク代表のストロングポイントは両サイドの破壊力。左右の槍の攻撃力を減退させることができれば、日本は勝利に近づけるはずだ。(文:河治良幸)

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●新監督のもと再スタートを切っているイラク代表

 アジア最終予選B組の首位に立つ日本代表はイランのテヘランでイラク代表と対戦する。昨年10月のホームでは後半アディショナルタイムに山口蛍が起死回生のゴールを決めて何とか勝利した難敵だ。

 彼らの現在の勝ち点は5。予選敗退が決まりシュナイシェル前監督も解任されたが、リオ五輪のメンバーを中心とした若いチームはカシム新監督のもと再出発している。

 堅実な守備からダイナミックなサイドアタックを仕掛けてゴールに襲いかかるイラクの強みが左のアリ・アドナンと右のアフメド・ヤシン。ともに185cmの長身であり、突破力とキック力に絶対の自信を持つサイドアタッカーが、両翼から敵陣を襲撃する、言わばイラクが誇る左右の槍だ。

 ウディネーゼに所属し、イラクで史上初のセリエA選手となったアリ・アドナンは23歳。U-19アジア選手権やアジア大会など、これまでも同年代の日本を大いに苦しめた。

 前回の対戦では[4-2-3-1]の左ウィングを担い、日本代表の右SB酒井宏樹と激しいマッチアップを演じた。一瞬のスピードは無いが、抜群のボディバランスで直線的に突き進み、シンプルに正確な高速クロスをゴール前に上げてくる。

 時にワイドな角度から放つミドルシュートはニアもファーも狙え、日本のGKは常に注意が必要だ。

 今回は左SBの主力であるドゥルガム・イスマエルが今回のメンバー招集を受けながら、直前に行われた韓国戦のメンバーから外れており、アリ・アドナンが左SBに入り、ウィングには“イラクのメッシ”ことフマム・ターリクが入る可能性が高い。

 その場合、大柄な酒井宏としてはターリクの小技にも悩まされそうだが、アリ・アドナンの左足が決定的なシーンを生み出さない様にしたい。その意味では右サイドハーフの久保裕也や浅野拓磨にも守備の貢献が求められる。

●セットプレー時も猛威を振るう両槍

 右のヤシンはスウェーデン1部のAIKソルナに所属する欧州組。クリスティアーノ・ロナウド似の風貌さながらに、一瞬でトップスピードに乗るドリブルが武器。縦に抉りながら上げるマイナスクロスも危険だが、左のアドナンより中に絡んで仕掛けるケースが多く、トップ下のアッラ・アブドゥル・ザフラとのコンビネーションからのミドルシュートにも注意を払う必要がある。

 長友佑都のコンディションが不安視される左SBは酒井高徳あるいは新戦力の宇賀神友弥も選択肢になるが、彼らにはライン際を防衛するだけでなく、斜めの飛び出しや中に流れる動きに対する柔軟な守備が求められる。

 もちろん必要以上に陣形を崩さないように、ボランチやCBとの受け渡しは重要になるが、基本的にはSBが厳しく対応していきたい。

 彼らが怖いのは流れの中だけではない。アドナンの左足、ヤシンの右足はセットプレーでも猛威を振るう。また2人も長身で、キッカーでない時はゴール前でターゲットマンになることもできる選手たちだ。

 CKの場面では右SBのワリード・サリムがキッカーをつとめることもあり、その時は192cmのDFレビン・ソラカ・アブハマットや前回の日本戦でゴールを決めたMFサード・アブドゥルアミールに加え、彼らもゴール前に入ってくる。

 左右のSBを中心に、可能な限りファウルなくアドナンやヤシンの刺激を止めたいが、全て回避するのは難しいかもしれない。暑さや高地特有の気候で体力的にも苦しい戦いを強いられるだろうが、なんとかコンパクトな陣形を維持して、左右の槍に仕掛けさせない状況を心がけていくべきだ。

(文:河治良幸)

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