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【文学の世界のダンディ】ジーン・クレールのカルチャーメモ

6/13(火) 12:10配信

GQ JAPAN

作家にはあえて世間と足並みをそろえない性分がある。なぜか?はっきりとは分からないが、彼らの人並み外れた想像力と詩的とも言えるその生き方に関係があるのではないだろうか。ともあれ、今回は、私の好きな作家をとりあげ、なぜ彼らがダンディなのか考えてみたい。正直、その答えは永遠に見つからないかもしれないが、だからと言ってそれを探さないわけにもいかない。

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作家は社会にたいして働きかける。そして、社会のあるべき形を描く。それは作家にとって大きな喜びであり、苦悩をもたらすものでもあった。

まずはロマンティックであると同時に暗く不気味でもあるエドガー・アラン・ポーを紹介しよう。彼は推理小説と短編小説で独自のジャンルを作り上げた。最高傑作はもちろん物語詩『大鴉』だ。27歳のときに14歳も年下の従妹のヴァージニアと結婚したポーは、ある意味最初の“パンク野郎”だったかもしれない。その若い妻が結婚後10年余の24歳の若さで死んだのはポーのせいだという説もあるが、ヴァージニアの死ののちポーの文体は大きく変わった。傷ついたポーの魂は苛まれ、ときに賭博に走って借金苦も背負った。ポーは完全にアウトサイダーだった。

次に紹介するのは、オスカー・ワイルド。彼が誇り高き究極のダンディであったこと以外、何が言えるだろう。彼の書くことへの情熱とその機知に富んだ文章は、彼を文学サロンの人気者に押し上げた。常にファッショナブルないでたち、辛辣なもの言い、そしてつい引用したくなる名言の数々が人々を惹きつけたのだ。『ドリアン・グレイの肖像』をはじめとした多くの作品はいまでは立派な古典だ。「我々はみなどぶの中の住人だ。しかし、そこから星を眺めている者もいるのだ」という彼の言葉は、パンクロッカーたちのスローガンとなった。ワイルドはその奇行ゆえにしばしば批判を受けたし、同性愛者でもあったために投獄された。しかし、社会の偽善に敢然と挑んだワイルドは、いまなお英雄である。

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最終更新:6/13(火) 12:10
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