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危険な韓国新大統領の北朝鮮戦略

6/13(火) 12:11配信

Wedge

 ニューヨーク・タイムズ紙の5月11日付け社説が、北朝鮮との対話を提唱する文在寅大統領は、北朝鮮に強硬な姿勢を示しているトランプ大統領と早急に対北朝鮮の共通の戦略を打ち出すよう努めるべきである、と述べています。社説の要旨は以下の通りです。

 文在寅韓国新大統領の北朝鮮についての考えは、かつての盟友である故廬武鉉大統領に近い。廬武鉉は、「太陽政策」を推進し、北朝鮮に対話、援助、共同プロジェクトを通して関与した。
その後金正恩が登場し、核開発を執拗に追求する中で、文在寅は制裁のみでは北朝鮮を抑止できないと考えており、また米中の争いに巻き込まれることを懸念している。

 韓国の米国との摩擦の当面第一の要因はTHAADであるが、文在寅は再検討すると言いつつも、結論を出す前に米国と十分協議すると言っている。全体として文在寅は対米関係重視の姿勢をとっている。文在寅は条件が整えば金正恩と会うと言っているが、この点はトランプと同じと考えている。

 これまでアメもムチも北朝鮮の核抑止追求を止められなかった。米韓中の不和は北朝鮮の動きを促すことになるだけである。北朝鮮に対する文在寅の対話の提唱とトランプの強硬姿勢は、もし両者が明確な共通の戦略を作り出すことができれば、両立できないわけではない。両首脳は一刻も早く、共通の戦略を打ち出すべきである。

出典:‘No Time for Friction With South Korea’(New York Times, May 11, 2017)

 文在寅韓国新大統領の北朝鮮に対する融和策が、果たして現在の日米、そして中国の北朝鮮政策と整合性を取れるかどうかが問題です。文在寅は制裁だけでは北朝鮮を抑止できないと考えているといいますが、対話も北朝鮮を抑止できなかったことも事実です。

 北朝鮮の核・ミサイル開発を止めさせることが最大の課題ですが、北に対する融和策は、それが開城工業団地の共同事業の復活であれ、北朝鮮に対する経済支援であれ、何らかの効果があるとは考えられません。むしろ、これらの政策は北朝鮮の正統性を認めることを意味し、核・ミサイル開発を中止させるどころか、かえって推進する効果を持つこととなるでしょう。現在の状況の下では「太陽政策」の出番はありません。

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最終更新:6/13(火) 12:11
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