ここから本文です

ミラノの次はピッティ・ウォモに参戦する「ヨシオクボ」

6/13(火) 14:17配信

GQ JAPAN

2017 年1月にジョルジオ・アルマーニの招待で、日本発のブランド「ヨシオクボ」がミラノ・コレクションに初参加を果たした。6月中旬にはピッティ・ウオモで2018年春夏コレクションを披露する予定だ。その準備で忙しくしているデザイナーの久保嘉男に話を聞いた。

【ヨシオクボ 2017年秋冬コレクションのルックを見る】

洋服をデザインする能力と会社を経営する能力の両方を兼ね備えるファッションデザイナーは稀である。メンズのヨシオクボとアンデコレイテッドマン、ウィメンズのミュラー オブ ヨシオクボの3ブランドを擁する会社を経営する久保は、そんな天然記念物的人物のひとりだ。

アンデコレイテッドマンは社内の河野貴之に任せているが、それ以外の2ブランドのデザインとパターンは、基本的にすべて久保とデザインチームが手掛けている。2017年の春夏シーズンからは、プーマとのコラボレーションラインもスタートした。デザイナーと社長業を両立させているのだ。

なまじ日本に大きな市場があるがゆえに、日本のファッションデザイナーは海外進出に積極的ではなかったが、ニューヨークでキャリアを積んだ久保は海外進出に積極的だった。パリでヨシオクボの単独展示会を始めたのは5年前から。ミュラー オブ ヨシオクボは、ミラノの有力なショールーム「トゥモロー」と契約している。両ブランドとも海外での卸先を着々と広げているが、石橋を叩いて渡る性格だから、大きな投資を伴うヨーロッパでのショーに関しては慎重な姿勢を崩していなかった。

そんな時にチャンスが舞い込んだ。ジョルジオ・アルマーニによる新進デザイナーを支援するプロジェクト「アルマーニ テアトロ」のゲストデザイナーとして選出された久保は、ミラノ・ファッションウィークで2017年秋冬コレクションを披露した。

ミラノ・コレクションで何を感じ、直前に控えた2018年春夏シーズンのピッティ・ウオモ(以下、ピッティ)で何を見せようとしているのだろうか? 久保に訊いた。

──ミラノでやってみてどうでした?

ファッションショーってどこでやっても基本的に一緒だと思うんですよ。見にきてくれるお客さんと媒体を通して、その熱みたいなものが波紋のように広がっていく。でも、欧米でビジネスを広げようとするなら、今の時点では東京ではなくヨーロッパに出て行かないとダメだと改めて感じました。

──反響のほどは?

ある程度はありましたけど、やっぱり続けて見せていかないと難しいと思った。日本の卸先やプレスからの反響のほうが大きかったかもしれません。ヨーロッパの人からすれば、日本から来たたんなる新顔のひとりで、鳴り物入りでデビューする数年に一度のスペシャルな存在というわけではなく、オリンピックの日本代表選手の一人でしかないわけです。ヨーロッパはモードの文化が根付いているから、1回だけじゃ意味がないなと。

──アルマーニさんと会って感じたことは?

アルマーニさんは、言うまでもなくファッション界の生ける伝説です。長いことファッション業界にいる人でも、実際に会って話をしたことのある人はほとんどいない。そんな偉大な人に1着ずつ丁寧に洋服を見てもらったのは、やっぱり嬉しかった。イタリア語だったので深い話はできませんでしたが、「いいね」とは言ってくれました。でも、ミラノということでいつもはあまり使わないリアル・ファーのアウターをいくつか作ったんですけど、そのことは咎められました。「俺も今はエコ・ファーしか使っていないから、お前も未来を見据えて服を作れ」と、アルマーニさんは言いましたね。

──2017年秋冬コレクションのインスピレーション源はミラノとは関係ないものでしたね。

そうですね。北アメリカ起源のロデオスポーツの一種である「ベアバック・ブロンコ・ライディング」が着想源です。鞍は装着せずに、革製のストラップでくくりつけられたハンドルを片手で握って暴れ馬に跨がるという競技で、その激しさと挑戦する気概に惹かれました。ハンドルやロープなどのディテールを多用したり、競技の激しさみたいなものを裂けたようなジップ使い、ほつれてしまった糸、穴の空いた布などで表現しています。

──2018年春夏コレクションはピッティで見せることになりました。ピッティに対してはどのようなイメージを持っていますか?

メンズウェアの聖地だと思っています。ピッティはファッションデザイナーとして一度はコレクションを見せたい場所です。

──2018年春夏コレクションで表現したいことは?

抽象的な表現になってしまいますが、真夜中のサハラ砂漠にレーザー光線が走るといったイメージのコレクションを考えています。

──今後の目標を教えてください。

まずは今回のコレクションで来て頂いた方、ヨシオクボを買ってくれている方々の反応をしっかり見て、海外および国内でコレクションをどう見せるか考えていきたいと思っています。

文:増田海治郎

最終更新:6/13(火) 14:17
GQ JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

GQ JAPAN

コンデナスト・ジャパン

2017年9月号
2017年7月24日発売

600円(税込)

『ベイビー・ドライバー』主演、アンセル・エルゴート登場/クルマが恋人の若者たち/10トップワールドニュース/三越ワールドウオッチフェア“明日”のヴィンテージ時計