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新日本プロレス─売上は5年で3.7倍!

6/13(火) 17:50配信

GQ JAPAN

埋もれていたプロレスに光を当てた

プロレスブームを牽引するのが老舗団体、新日本プロレス。人気に火を点けたのは、プロレスビジネスとは無縁だった男だ。

【写真でみる】新日本プロレスの売上推移

プロレスブームの再燃は、数字にも表れている。2011年度には11億4059万円だった新日本プロレスの売上高は2015年度には32億円、今期は37億円を超える見込みだという。5年で約3.7倍だ。

新日本プロレスV字回復のきっかけは、2012年にカードゲーム会社のブシロードが買収したこと。ブシロードの木谷高明社長がキーマンだ。

「当時、このままだとプロレスはメジャーな存在ではなくなると感じていました。僕も高校時代は人生の楽しみの7割がプロレスだった人間なので、不遜ですがなんとかしたい、と。同時に、ビジネスチャンスがあるとも思いました。プロレスってキャラクタービジネスで、自分たちが得意とする分野とそれほど遠くないんです」

ではプロレス人気を浮上させた手段は何か?

「プロレスは中身を見ると面白い。でも人間にとっては思い出も資産だから、落ち目のモノには投資したくない。そこでプロレスに”昇る”というトレンドを作ってあげることを考えました。上昇の角度が大事。こう言うとステマの王様みたいに言われるけれど、違う。最後はいいものしか人気は出ませんから。面白いのに埋もれているプロレスがあって、そこに光を当てて盛り上げた」

光を当てる具体的な方法は、まずBSでの放送を始めたこと。現在ではBSのほかCS放送、動画配信サービス(新日本プロレスワールド)、YouTube公式チャンネル、AbemaTVと、地上波だけだったアウトプットの数が何通りにも増えた。メディア戦略が当たり、興行収入や会場での物販が3倍以上となる。これが売上高3.7倍の中身だ。

ビジネスモデルを見習うのは、新日本プロレスの約20倍の売上高を誇る米プロレス団体WWE。

「別にWWEになりたいわけではないけれど、たとえばWWEのYouTubeの再生回数はMLBやMBAより多くて、ネットの広告収入が年間50億円。あと、選手のフィギュアがトイザらスに置いてあって、こうしたマーチャンのロイヤリティ収入も約25億円。新日はどちらも3000万円に満たないわけで、まだやりようがある。売上高を夢だとは言いたくないけれど、いつかは100億円を目指したい」

その第一歩が、この夏のロサンゼルス興行だ。

「野球でもサッカーでも日本人選手が1人か2人出ている試合はあるけれど、合同ライブはないでしょ? アメリカ人選手もたくさん出るから、現地の人も動画配信の会員になってくれる。実際、現時点でも配信サービスの会員の2割は海外。だからロス興行がうまくいったら、本格的にアメリカに出ます。向こうで撮った映像を動画で配信したり、向こうのケーブル局に売ることをやりたい」

プロレスはブーム再燃を飛び越して、大きな輸出コンテンツとなり得る可能性を秘めている。

Takeshi Sato

最終更新:6/13(火) 17:50
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