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イングランド時代、到来か。U-20W杯に見る世界と日本の勢力図

6/13(火) 17:20配信

webスポルティーバ

 サッカーにおける世界の勢力図が、また変わるきっかけになるかもしれない。

 そんなことを思わずにはいられないほど、イングランドが見せたサッカーは美しく、そして強かった。

【写真】U-20W杯に臨んだ日本代表の選手たち

 韓国で開かれていたU-20W杯は6月11日、水原ワールドカップスタジアムで決勝が行なわれ、ベネズエラを1-0で下したイングランドが初の栄冠を手にした。カテゴリーを問わず、イングランドが世界チャンピオンになるのは、1966年W杯イングランド大会以来、実に51年ぶりのことだ。

 U-20イングランド代表のポール・シンプソン監督は、輝く優勝メダルを胸に、誇らしげに語る。

「勝因はシンプル。強いチームだったからだ。いい選手がいいプランに沿って行動し、コーチ陣はもちろん、メディカルなども含めていいスタッフがそれを支え、すべてがまとまってチームとして戦った結果だ」

 従来のイングランドというと、無骨なサッカーのイメージが強かった。テクニックよりフィジカル。細かくパスをつなぐよりも、ダイレクトにゴールへ向かう。そんなサッカーである。

 現在でこそ、世界中からスター選手が集まるプレミアリーグの影響もあり、そうした印象も薄れてきてはいる。それでも、やはり他のヨーロッパ諸国、特にスペイン、フランス、ドイツあたりと比べれば、繊細さに欠ける大味なサッカーの印象は否めない。

 ところが、今回20歳以下のW杯を制したチームは、そんな旧態依然としたイメージとは一線を画す。イングランドのサッカーは明らかに変わっていた。

 選手一人ひとりは、フィジカルでもテクニックでも高い能力を兼ね備えている。

 大会MVPに選ばれたFWドミニク・ソランケをはじめ、左サイドのアタッカーであるFWアデモラ・ルックマン、キャプテンでボランチのMFルイス・クックなど、名前を挙げ始めたらキリがないほどタレントぞろいで、しかもベストメンバーを固定する必要がないほど選手層は厚かった。

 それでいて、個人能力頼みになることなく、チームとしてしっかりとボールを動かしながら、相手の守備を崩していくことができるのだ。

 振り返ってみると、グループリーグ初戦のアルゼンチン戦を終え、シンプソン監督が口にしていた言葉が興味深い。

「このチームはフィジカルが強く、ハードワークができる。だが、同じようにテクニックを持っていることも見せたいし、組織的にプレーできるところも見せたい。今日の試合ではそれらは十分ではなかったが、アルゼンチンに対して規律を見せることができた」

 実はこの大会初戦、今にして思えば、イングランドの出来はそれほどよくなかった。アルゼンチンに押し込まれ、多くの時間を劣勢のなかで過ごした。効率よくゴールを重ね、3-0で勝利したものの、得点の仕方は従来のイングランドのイメージと大きく変わらないものだった。

 しかし、指揮官は試合後、自分たちの武器はこれだけではないと言い切った。事実、その後の試合で、それが単なる強がりではなかったことを証明してみせた。

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