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「三菱東京UFJ銀行」頭取のスピード退任 板挟みで心労説

6/13(火) 5:56配信

デイリー新潮

 その一報に金融界が震撼した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱東京UFJ銀行が、小山田隆頭取(61)の退任を発表したのだ。就任からわずか1年での“電撃退任”。一体、何があったのか。

 5月24日の“頭取退任記者会見”に出席したのは2人。そこに当事者の小山田頭取の姿はなく、顔を見せたのはMUFG社長を兼務する平野信行会長(65)と、新頭取に選任された三毛兼承(かねつぐ)副頭取(60)だった。ライバル行の幹部は、こう疑問を口にする。

「三菱東京UFJ銀行の頭取の任期は通例4年です。昨年4月に頭取に就任したばかりの小山田さんは、わずか1年のスピード退任。加えて、この4月には全国銀行協会の会長に就任していましたから、こちらは2カ月で辞めることになってしまった。前代未聞の退任劇です」

 平野会長は、記者会見で小山田氏の退任理由を“体調不良”としか説明しなかった。

「大企業の役員の間では、最低1年に1度は人間ドックで精密検査を受けるのが常識。小山田さんも頭取に就任する直前にドクターチェックをパスしていたはず。“急性の血液ガン”だと断言する三菱東京UFJ銀行OBもいますが、俄かには信じ難い」(同)

 小山田氏は1979年に東大経済学部を卒業後、旧三菱銀行に入行。主に企画畑を歩み、早くから将来の頭取候補の1人と目され、“プリンス”と呼ばれていた。が、実力を発揮することなく、表舞台から去ってしまったのだ。

■行名変更問題

 体調不良といえども、何も肉体的な病ばかりではない。三菱東京UFJ銀行の中堅幹部によれば、

「小山田さんの頭取就任後、うちは国債入札の特別資格を返上して日銀と“対立”しました。平野会長の“鶴のひと声”でしたが、矢面に立たされた小山田さんは、日銀との間で板挟みになり苦労していました」

 上司の尻拭いは“組織人”の宿命。だが、小山田氏がさらにストレスを抱え込む事件が発覚した。

「1400億円の負債を抱えて一昨年末に倒産した船舶会社から、うちの幹部が接待を受けていたことが発覚し、小山田さんも副頭取時代にその会社の融資契約の調印式に出席していたと報じられました。それで平野会長から“脇が甘い”と叱責されたそうです」(同)

 また、収益力の高い国際部門は平野会長と三毛副頭取主導で進められ、海外経験が乏しく、英語が苦手な小山田氏は“蚊帳の外”だったという。三菱グループのさる企業幹部がこう囁く。

「来春、三菱東京UFJ銀行から“東京”が外れると報じられました。実は、平野会長は“三菱”の名も外して『MUFG銀行』への変更を検討しています。この行名変更問題が、小山田さん退任の決定打になったのではないでしょうか」

 きっかけは、グループの中核企業28社の懇親会「三菱金曜会」の前後に開かれる“御三家”の集まりだったという。

「三菱商事と三菱重工、三菱東京UFJ銀行の集まりで、小山田さんが“行名変更”を話題にしました。商事と重工の2社は“三菱の名を捨てるのか”と激怒したばかりか、行名変更が小山田さんの発案であるかのように流布された。それで心が折れてしまったのでしょう。グループ内では、鬱病説が流れるほどです」(同)

 人格、識見、リーダーシップを頭取の条件に挙げた平野会長。今後は、健康管理と強靭な精神力も付け加えるべきでは。

「週刊新潮」2017年6月8日号 掲載

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最終更新:6/13(火) 5:56
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