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あなそれ 他の不倫ドラマとの違いは行動への後悔のなさ

6/14(水) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 昨今のゲス不倫騒動もあって、初回から注目を集めている波瑠主演の不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)。毎回、衝撃的な展開がSNSなどで話題を呼んでいるが、他の不倫ドラマとの違いはどこにあるのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで、盛り上がってきた『あなたのことはそれほど』。先日放送された第8話では、主人公・美都(波瑠)の夫・涼太(東出昌大)が、なかなか離婚届にサインせず、名字の渡辺をひらがなで書いたり、さんずいだけ書いたり、「涼太」を「涼犬」と書いたりと、笑えそうで笑えない行動を連発。一方、浮気がバレた有島くん(鈴木伸之)は妻の麗華(仲里依紗)との暮らしにへとへと状態。そんな中、美都が妊娠!? 
 
 ますます怖い展開だが、このドラマには、これまでの不倫名作ドラマとは違う特長がある。まず、一線を越えるまでの垣根の低さ。エロや愛欲も感じられず、思い出作りのような不倫関係。伝統的に「よろめきドラマ」ともいわれる(由来は三島由紀夫の『美徳のよろめき』から発したとされる)不倫のドラマは、事に至るまで、またはその後の葛藤や後悔が軸になってきた。

 どっぷりベッドシーンが話題になった鈴木京香の『セカンドバージン』然り、全編涙目の上戸彩の『昼顔』然り。ところが美都は、中学時代の同級生有島くんとにこにこと関係を続け、妊娠かもと思っても「有島君。私なんとできてしまったんです!って今度は趣味じゃなくて子供だよ」とうっかりLINEしそうになったりする。

 すごい文面だ。彼女が葛藤しているのは、異常な行動をとる涼太と結婚したことと別れられないことで、自分がしたことにはあまり後悔もない感じ。美都が次に何を言い出すのか?と目が離せない仕組みなのだ。

 また、配偶者に裏切られた涼太と麗華の対応もすごい。事情がわかった後も美都に執着し、「みっちゃんはこんな汚いところで寝ちゃだめ」などと彼女を気遣い、責めない涼太。一方、無表情に「あたし、つらいよ」と夫に冷ややかな態度をとる麗華。この不気味な息苦しさもまた視聴者をドラマの引きずり込む要素といえる。

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