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日本の成人の8人に1人が慢性腎臓病! 腎臓が悪くなるとどうなるの?

6/14(水) 8:00配信

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日本人の8人に1人が慢性腎臓病。人工透析や移植が必要になる? 腎臓が体になくてはらないワケ――知っておきたい人体の機能を『人体解剖図鑑(ヴィジアル新書)』著・高野秀樹氏が徹底解説! 

腎臓の構造とはたらき

 腎臓は一番下の肋骨(第12肋骨)付近、椎骨の両側に左右一対ある泌尿器系の器官だ。ソラマメのような形をしていて、成人で10㎝×5㎝×3㎝の握りこぶし大、重量は150gほど。外側は凸状で、中央の内側には腎門(じんもん)と呼ばれるくぼみがある。腎門には、腎盂(じんう)や腎動脈、腎静脈、尿管などが集まっている。この腎臓には、心臓を出た血液の約5分の1~4分の1が流れており、非常に血流の多い臓器である。

 腎臓の最重要機能は、体液の恒常性維持にほかならない。そのために、水分や電解質(イオン)の調整、体液の㏗の調節、代謝産物や老廃物の排泄、ホルモンの分泌や調節を行っている。4つのうちホルモン以外の3つは、尿の生成過程で使用する。

 腎組織は線維皮膜で覆われ、その内側に組織構造が異なる皮質と髄質がある。皮質の厚みは約1.5㎝、髄質の厚みは約3㎝。皮質のなかには、血液をろ過する役割をはたす約100万個の腎小体がある。

 腎小体は、毛細血管が鞠(まり)のように集まった糸球体(しきゅうたい)と、これを包み込むボーマン嚢(のう)からなり、糸球体では血球成分とタンパク質が除かれ尿の原型(原尿)がつくられる。ただし、原尿の約99%は、おもに髄質にある尿細管(にょうさいかん)を通るあいだに再吸収される。いっぽうで尿中には、血液中の老廃物と余分な水が排泄される。老廃物は、おもに尿素窒素(BUN)で、体のなかに蓄積されると有害な物質だ。

 尿生成は次回で詳述するとして、腎臓の内分泌器官としてのはたらきを見てみよう。
 腎臓には、血流が悪くなるとそれを察知し、レニンという酵素を分泌する機能がある。レニンは血中のタンパク質と反応し、血管を収縮、血圧を上昇させる効果のあるアンジオテンシンという物質をつくる。また、赤血球は骨髄でつくられるが、エリスロポエチンという骨髄の造血幹細胞にはたらくホルモンを分泌し、赤血球の数を調整しているのは腎臓だ。腎機能の低下はエリスロポエチンの減少を招き、貧血を起こしやすくなる。骨の形成に寄与するビタミンDは、腎臓に移ると活性型となり、小腸でのカルシウム吸収を促進する。腎機能が低下しカルシウムの吸収量が減ると、骨粗しょう症などの原因ともなる。

 腎臓の慢性的な機能低下は、やがて慢性腎臓病(CKD)を引き起こし、放置していると末期腎不全となり、人工透析や腎移植なしでは生きていけなくなってしまう。現在、日本の成人は8人に1人、およそ1330万人がCKD患者といわれている。

〈『人体解剖図鑑』より構成〉

文/高野 秀樹

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