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英国人が見たイラク戦「日本はシュートを打って!」「ハリルの采配は良くない」

6/14(水) 9:58配信

フットボールチャンネル

日本代表は13日、ロシアW杯アジア最終予選でイラク代表と対戦して1-1で引き分けた。この試合中、イングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。

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●「注目は遠藤」「本田をサイドで使うのはもったいない」

――イラク戦のスタメンが発表されました。ショーンさんが注目する選手は誰ですか?
「遠藤です。今日の試合は攻守のバランスが非常に大事になるから、彼の役割は重要になる」

――井手口は代表初先発です。今日は遠藤と井手口の若い2人が日本の中盤を支えることになりますね。
「そのエネルギーは必要かもね。イラクは結構アグレッシブなチームだと思うから」

――今日はどのような意味を持つ試合なのでしょうか?
「すごく重要。オーストラリアはサウジアラビアに勝ったので、3チームが勝ち点で並んだ。日本の残り2試合はオーストラリア戦とサウジアラビア戦。もちろん今日負けても終わるわけではないけど、精神的に影響を与えると思う。だからこそ勝たなければならない」

――本田はインサイドハーフと右サイドのどちらでも起用される可能性がありますが、どちらで起用するのがいいと思いますか?
「インサイドハーフです。本田をサイドで使うのはもったいないと思う」

――試合が始まりました。どうやら本田が右サイド、原口がトップ下のようですね。
「本田と元気のポジションは逆の方がいいと思う…」

――前半8分、本田のCKから大迫がバックヘッドで決めて日本が先制しました!
「これは大きい。まぁ、シュートが入ればFWにとっては何でもいいね(笑)」

●「イラクは両サイドを狙っている」「前半の本田は良かった」

――先制して以降、日本は守る時間が続いています。左SBの長友がエリア内で競り負けるシーンもありました。
「イラクは両サイドを狙っているね。左サイドが不安というより、クロスが入った時の方が僕は心配。セカンドボールについては特にね。イランでの開催だけど、イラクはホームだから同点にしたいという姿勢を見せている」

――28分、大迫がエリア内で倒されたように見えましたが…。PKは与えられませんでした。
「どうだろう。50-50かな…」

――32分で飲水タイムです。この時間は改めて指示を出すという意味でも大切ですね。
「そうだね。でも選手たちも前半で先制点を奪ったのであればハーフタイムまで絶対にリードをキープしなきゃいけないということはわかっているはず」

――イングランドで36℃になることはほとんどないですからね…。
「全然ない。僕はその暑さでスーパーまで歩いて行くのもキツいから、サッカーをするなんてあり得ないよ!(笑)」

――前半は1-0で日本がリードしたまま終えることができました。印象に残った選手は誰でしたか?
「本田は良かったね。パスミスはあまりなかったし、ボールキープやチャンスメイクは良かった。でも、この暑さの中で最後までいけるかどうかはわからないね。今季のミランではフル出場した試合はほとんどなかったからね(※セリエA最終節の1試合のみ)」

――後半に注目すべき選手は誰でしょうか?
「久保だね。前半は常に積極的にプレーしていたけど、サイドを突破することはできなかった。後半はカウンターで日本にチャンスがあると思うから、彼のパワフルな特徴を見てみたい」

●「ヨーロッパ組にこの日程はキツい」「遠藤は冷静にプレーしていた」

――後半が始まりました。ピッチコンディションが悪いせいか、バウンドが乱れて大迫と原口がシュートを打ち損ねてしまうシーンが見られます。
「日本はタッチしすぎだけどね。コントロールしてボールを動かすよりも、シュートを打って!」

――62分、井手口が頭部を打って途中交代となりました。日本はまた中盤に怪我人が出てしまいました…。代わって今野が出場します。
「今野は安定感があるから大丈夫だね」

――その直後、原口に代えて倉田を投入しました。
「元気のエネルギーはそろそろ限界だね」

――しかし日本は72分に失点。吉田と川島がルーズボールを処理しきれず、ゴール前の混戦から最後はカミルに押し込まれてしまいました。
「ヨーロッパ組にとってこの日程はキツい。6対2だったのにね…。ミスの責任は吉田だけではなかった。これだけ人数がいたら誰かがコントロールをしないと」

――これから得点を奪うためには何が必要なのでしょうか?
「積極的な姿勢。でも攻撃が遅すぎる。ただし、この暑さの中でエネルギーはまだ残っているかな…」

――結局1-1のまま試合が終わりました。90分間、どういう印象でしたか?
「天候は間違いなく影響を与えたと思うけど、またディフェンスの集中が問題だったね」

――日本で一番良かったと思う選手は誰でしたか?
「誰かな…。特に目立った選手はいなかったけど、遠藤は冷静にプレーしていた」

――今日は勝ち点1で終わりました。この結果はオーストラリア戦に向けてどのように影響があるのでしょうか?
「良い影響を与えることはないと思うけど、オーストラリア戦は2ヶ月後だから時間がある。日本はまだ首位だし、自力でW杯出場を決めることもできる」

●「ハリルの采配は良くない」「アジアのサッカーは日本のレベルに近づいている」

――スタメンの選択や試合中の選手交代など、今日のハリルホジッチ監督の采配はいかがでしたか?
「個人的に今日はそこまで良くなかったと思う。2列目の3人はそれぞれのベストポジションで起用されなかったし、選手交代も少し慎重だった。だけど酒井と井手口の交代は怪我の影響だったから仕方ないかな…」

――イラク戦の前にはシリアとのテストマッチもありましたが、どのくらい役に立ったのでしょうか?
「戦術的には役に立ったと思うけど、シリア戦とイラク戦のスタメンは大きく変わったし、天候も全然違った。結局それが今日勝てなかった一番大きい要素だと思う」

――最終節のサウジアラビア戦も猛暑のアウェイなので、次のオーストラリア戦でW杯行きを決めたいところです。何を改善すべきでしょうか?
「激しさ。もしW杯でプレーしたかったら次の試合で勝たなければならない。このレベルで1-0で勝つことは非常に難しいので、追加点を奪わないとダメ。今日は暑さや怪我などもあったから仕方ないかもしれないけど、そのような苦難を乗り越えないといけない。次の試合は勝つしかない。日本人選手は常にそれを言うけど、オーストラリア戦は本当にそうなる」

――シリア戦は親善試合でしたが、2試合連続で格下相手と引き分けでした。何が原因なのでしょうか?
「その“格下”は段々いなくなってきていると思う。アジアのサッカーは成長しているので、他のチームは徐々に日本のレベルに近づいてる。だからこそ日本もレベルアップしなければならない。名声だけでサッカーの試合は勝てない。運動量や技術、精神力の強さで勝つ」

――ありがとうございました。オーストラリア戦は必勝ですね。

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

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