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まさかのエンジンブローでホンダに衝撃。次戦は新ユニットで正念場に

6/14(水) 7:40配信

webスポルティーバ

「フェルナンド、P12(予選12位)だ。でもQ3までほんのわずかな差だった。トップのハミルトンからは1.2秒落ちだ」

【写真】サーキットに現れた美女たち

「ってことはポールポジションだな! グッド!」

 予選を12位で終えたフェルナンド・アロンソは、担当レースエンジニアのマーク・テンプルから結果を知らされてそう言った。パワーユニットにメルセデスAMGくらいのパワーがあれば自分たちが勝てたという、皮肉を込めたジョークだ。

 メルセデスAMGとホンダの出力差は50kW(約68馬力)。ラップタイムにすれば1.0~1.25秒の差になる。そういう計算だ。

「僕らはストレートでどれだけ失っているかを知っている。それを考えると、今日の僕らはとてもコンペティティブ(競争力がある)だった。ストレートでは10km/h遅いけど、それ以外の部分では最高の走りができている」(アロンソ)

 ただし続くQ3で、メルセデスAMGは予選モードでさらに20kW(約0.4~0.5秒に相当)を絞り出し、ルイス・ハミルトンも全身全霊の走りでさらに1秒を縮めてきた。仮にパワーが同じだったとしても、ポールポジションは獲れなかっただろう。

 ストレートが遅いのは、パワー不足が大きな要因ではあるものの、空力面にも理由がある。多くのチームはカナダGP用に空気抵抗の小さいリアウイングを持ち込んだり、Tウイングやモンキーシートと呼ばれる空力付加物を取り払ったりして、ダウンフォースの確保よりも空気抵抗の削減に工夫していた。それに対し、マクラーレン・ホンダはドラッグなど気にせず、ダウンフォースを追求する超低速のモナコGPと同じ空力パッケージを持ち込んで来ていたのだ。

 シミュレーション上はそのほうが1周を速く走ることができるのだろうが、これではストレート速度は伸びず、決勝では苦戦を強いられても仕方がなかった。

 ただ、ホンダに対して大きな失望が渦巻いていたことは事実だ。

 直線とシケインだけで構成されるカナダのジル・ビルヌーブ・サーキットだけに、ホンダのアップデートが投入されることに期待が寄せられていた。しかし、十分な性能を担保するだけの開発が間に合わなかったのだ。

 十分なアップデートが間に合えば「いつでも投入したい」とホンダの長谷川祐介F1総責任者は語っていたが、出力向上の本丸であるICE(エンジン本体)を改良すれば、燃焼効率が上がったぶんだけ排気ガスの温度は下がる。すると、排気を使ったターボとMGU-H(※)からの回生エネルギーが減ってしまうため、そちらのモディファイも必要になる。事態は想像するよりも複雑なのだ。

(※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置)

 そもそもカナダGPはコンポーネントの寿命による切り替えのタイミングでないため、ここに間に合わせるためだけに中途半端なものを投入してしまうと、無駄に1基を消費するうえに、この後の何戦もそのままで戦わなければならなくなってしまう。

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