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加齢で劣化、減少してしまう「毛細血管」。実は増やすことができる!?

6/14(水) 21:01配信

OurAge

直径は、髪の毛の10分の1ほどの細さだが、全血管の99%を占め、全身に網の目のように張り巡らされている「毛細血管」。
「血液循環の主役は、動脈や静脈ではなく、『毛細血管』です。動脈や静脈は単に血液を運ぶのがおもな仕事ですが、毛細血管は命の根幹にかかわる役目を担っているのです」とハーバード大学医学部内科客員教授、パリ大学医学部客員教授で、世界の最先端で研究にあたる根来秀行教授は言う。

か細いからこそ、全身に網の目のように張り巡らすことができる毛細血管は、病原菌などの外敵から体を守ってくれる「免疫の闘いの場」だ。また、ホルモンを運び、体に必要な情報を伝達したり、自律神経と連動して体温を一定に保つ働きもある。だが残念ながら加齢によって劣化し数も減ってしまう。

「毛細血管の生理的減少を完全に止めることはできません。けれども悲観しないでください」と根来教授。「加齢に伴う毛細血管の質と量の低下を最低限に食い止め、弱っている毛細血管を復活させ、健康な毛細血管を増やすことはできるのです」

えっ、毛細血管は増やせる!?
「はい。血管新生(けっかんしんせい)といって、毛細血管は必要とあらば、枝分かれしてにょきにょきと増えていくんですよ。例えば、ある毛細血管がダメージを受けて血流が悪くなり、その毛細血管が関係する組織の細胞が酸欠や炎症を起こしたとします。すると、そこに酸素や修復するための細胞を届けるために、その場所に向かって新しい毛細血管が伸びていくのです」

どのように毛細血管が増えていくのかについては不明な点が多かったが、最近、そのメカニズムが急速に解明されつつあるようだ。
「僕の研究室でも、内皮細胞にくっついている周皮細胞が、毛細血管を新しく生み出すための細胞を供給していることが研究でわかってきました」

一方、病的な血管新生もある。紫外線の刺激で発生する不完全な毛細血管はシワの原因に、がん細胞は自ら血管を増やし増殖していく。
「健康に毛細血管が増える生理的血管新生のメカニズムが解明され、それを発展させていけたなら、病的な血管新生を抑制し全身の毛細血管を若返らせ、究極のアンチエイジングを図ることも可能になるかもしれません」

とはいえ、医学の発展をただ指をくわえて待っていたのでは、毛細血管は老化していく一方だ。弱った毛細血管を復活させ、健康な毛細血管を増やすために、セルフケアとして何かできることはあるのだろうか?

「たくさんありますよ。最大のポイントは、毛細血管に血流が行くようにすることと、血流自体をアップさせること。そのためには、まず自律神経の働きを整えることです」

毛細血管は自律神経によってコントロールされている。交感神経と副交感神経のパワーバランスの変動によって血管の収縮と拡張を切り替え、しかるべきタイミングでしかるべき場所へ血液を巡らせ、酸素や栄養素、ホルモンを届けているのだ。

「細胞を修復・再生する成長ホルモンやメラトニンといったアンチエイジングホルモンも、自律神経の協力なくしては、思うように体内を巡ることができず、宝の持ち腐れです。

また、自律神経は体内時計とも連動しています。ところが現代人は、不規則な生活に陥りがちで体内時計が乱れている人が非常に多く、本来、副交感神経が働く夜の時間帯まで交感神経が侵食し、毛細血管の働きを悪化させています。そのため、アンチエイジングホルモンが出づらくなっていて、細胞が再生されにくくなり、体がサビつきどんどん老化を早めているのです」

それは睡眠、運動、食事、ストレス対策という、ごくごく当たり前な生活術だ。毎日のちょっとした心がけでできるのがポイント。
「巷には『○○を食べれば若返る』とか『○○をするだけで元気になる』といった一元的な健康法があふれていますが、人の体は非常に複雑で、有機的に成り立っているもの。立体的な視点で、トータルに整えていかなければ、真の健康には近づけません」

次回からはいよいよ、その具体的な方法を紹介しよう。まずは人間にとって欠かせない、「睡眠」から。

最終更新:6/14(水) 21:01
OurAge

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