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「知識でしゃべらず、知恵でしゃべる。何を説明するかじゃない。何を伝えたいか考える」言葉の天才・永六輔が遺した7つの金言

6/14(水) 7:20配信

@DIME

数々の国民的名作を遺し、昨年7月に逝去した永六輔さん(享年83)。しかし、「永六輔って何者!?」と疑問を唱え、その足跡を追う一人の若者がいる。孫で、東京大学在学中の拓実さん(20歳)だ。

仕事が楽しくなる「7つの金言」(3)
「知識でしゃべらず、知恵でしゃべる。何を説明するかじゃない。何を伝えたいか考える」

■永六輔と大学教授の「色即是空」の伝え方

 プレゼンや商談、上司への報告や部下への説明など、ビジネスパーソンは職場で何らかの話をすることが日常茶飯事。しかし、話すことが苦手であるがために、仕事の評価で損している人は少なくない。

『難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く 井上ひさし』

 これは永六輔さんの机の上に貼られた紙に書かれていた言葉だ。亡くなった後、拓実さんが発見した。作家の井上ひさしさんは永さんの友人でもあった。とはいえ、なぜ永さんは、一番目立つ場所にこの貼り紙をしていたのか。

 ずっと謎だったが、一連の取材でその狙いが理解できたという。拓実さんが語る。

「まず今回、取材に応じてくれたタモリさんは『永六輔の最も核となるイメージは?』という質問に対して、『博識』と答えました。『どんな質問にも答える。それも、難しく答えるんじゃなくて、うまく答えるんだよね』と。祖父は大学を中退しているので、学問を究めたとは言えない。どうして教養深いことで知られるタモリさんに『博識』と評されるのか。そのヒントが著書に遺されていました」

 拓実さんが見つけたのは次のような内容の文章だった。

「専門家じゃないからこそ、言えることがある。細かい違いは気にせず、生きるうえでどう役に立つのか、大胆に。知識でしゃべらない、知恵でしゃべる。少しくらいの誤解は恐がらない」

 つまり、タモリさんが言う永さんの「博識」とは、知識が豊かというだけでなく、知恵を使ってわかりやすく伝えることにカギがあったわけだ。拓実さんが続ける。

「例えば、僕は今、大学で仏教の授業をとっており、教授は『色即是空』という仏教用語についてこう説明します。『色すなわちこれ空ということ。色はサンスクリット語で目に見えるもの、形あるものという意味で、空は実体がない物、虚無ということ。だから、姿かたちは仮のもので、本質は…』。僕にはなかなか頭に入ってきません」

一方、永さんは同じ「色即是空」について、ラジオ番組でこう説明したのだという。

「色即是空はつまり、ドーナツの穴。ないけどある。あるけどない」

 拓実さんには永さんの説明のほうが頭に入ってきやすく、また、「生きるうえでどう役に立つのか」を語る分には十分な気がしたという。

「何を説明したいのかよりも、何を伝えたいのかを考えないといけない」

 永さんが別の著書で遺したこの言葉は、コミュニケーションの本質をついている。難しい言葉は、自分の考え、知識を見せつけるのには役立つ。しかし、重心を自分から相手に移し、「伝える」ことを意識すると、自ずと簡潔で易しい言葉を使う意味が見えてくる。

 ビジネスの場でも常に意識しなければならない言葉だ。

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:6/14(水) 7:20
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